街角に作品展示 オランダ商館復元10周年 来月まで

平戸オランダ商館2階フロア全体を使った作品「平戸双六」を体感する内覧会参加者=平戸市大久保町

 長崎県平戸市中心部一帯で現代アートイベント「ART SEEDS HIRADO 2021」(長崎新聞社など後援)が始まった。店舗や観光施設など9カ所に作品が展示され、観光客を街歩きに誘っている。11月30日まで。
 市は2011年9月、国指定史跡、平戸オランダ商館跡に石造倉庫を復元。江戸時代初期に日本屈指の貿易都市として栄えた平戸の歴史の発信拠点となっている。商館復元10周年、今春の平戸城リニューアルを記念して同イベントを企画した。
 9月30日、同商館で開催された内覧会で、出品した大分県在住の畑直幸さんら3人が作品の意図を解説。イベント統括の中川大起・日蘭建築文化協会員は「平戸の街をどうやって未来に託すか、考えるきっかけになってほしい」とあいさつした。
 同商館2階に、フロア全体を利用して平戸の歴史や文化を学び、体感できる「平戸双六(すごろく)」(原倫太郎さん、原游(ゆう)さん)を展示しているほか、個性豊かな作品が平戸城、店舗、街角を彩っている。営業時間外は見られない作品もある。期間中にワークショップなど関連行事も予定。問い合わせは平戸オランダ商館(電0950.26.0636)へ。

階段に展示された山本麻世さんの作品「へその緒」=平戸市鏡川町

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