V3黄信号の原巨人〝勝負ローテ〟でパンク危機 チーム関係者は「高橋、戸郷が心配」

中4日で登板した戸郷は5回81球3失点だった(東スポWeb)

原巨人が3日のDeNA戦(東京ドーム)に3―3と痛恨の引き分け。首位・ヤクルトとは5・5ゲーム差に広がり、リーグV3はいよいよ黄信号となった。残り15試合で大逆転を目指すが、その原動力となるGローテ陣の疲労はピーク。チーム内からはついに「パンク危機」までささやかれ始めた。

あと一歩、及ばなかった。1点を追う9回二死二塁で代打・大城が同点適時二塁打を放ち、なおも二死満塁のサヨナラの好機。ここで松原が三振に倒れ無念のゲームセット。この日、広島に勝利したヤクルトの背中が遠のいた。

「粘りは結構あると思うんだけどね」と振り返った原監督は、5日からの神宮決戦に「ええ! そこは我々は今の立場から行くと、直接対決というのが望むところというところですよね!」と前を向いた。

指揮官が闘志を失っていない一方、疲労が見えてきたのが先発陣だ。巨人は9月初めから5投手(菅野、山口、メルセデス、高橋、戸郷)を中4日、中5日で回す「勝負ローテ」で臨んでいる。この日、先発した高卒3年目右腕・戸郷は9月28日中日戦(バンテリン)での7回121球から、中4日で登板し5回81球3失点だった。

投打で苦戦した9月成績は6勝14敗5分けの借金8。ここまで先発陣に〝離脱者〟は出なかったが、2日のDeNA戦で山口が右ヒジ違和感で緊急回避。救援陣7投手をつぎ込み何とかしのぐも、大きな負担をかけた。幸い軽傷だった山口は8日の広島戦(マツダ)で復帰を目指すという。

そんななかチーム関係者は「ここまで来たらもう後には引けない」と方針変更を否定した一方で「経験豊富なうえタフで知られる山口が1回飛ばすほど今のローテは負担が大きい。1年間フルでローテを守った経験のない高橋、戸郷がケガをしないか心配」(同関係者)と左右のチーム勝ち頭(高橋11勝、戸郷9勝)の無事を祈った。

今後、若武者にはラストスパートが待ち受ける。戸郷は中5日で9日広島戦(マツダ)、15日ヤクルト戦(神宮)が続く。高橋は中5日で5日ヤクルト戦(神宮)、中4日で10日広島戦(マツダ)、中5日で16日広島戦(東京ドーム)が予定されている。宮本投手チーフコーチは「勝負ローテ」維持に「もちろんそうですね」と迷いはなかった。

チームの目標は可能性がある限りは優勝しかない。Gナインは一丸となっているが、仮にV逸となったとしてもCS、日本シリーズが控えている。ポストシーズンでの先発陣離脱を避けるためには、これまで以上に入念なケアが必要となってきそうだ。

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