【大学野球】昨年は早川&木澤が1位指名 今年も上位候補が揃う早慶6選手が待つドラフト会議

早大・岩本久重(左)と慶大・正木智也【写真:荒川祐史】

早大は徳山、西垣の2投手、捕手の岩本が志望届を提出

東京六大学秋季リーグ戦は3日、第3週を消化した。これで早大、慶大は11日のドラフト会議前のリーグ戦を終え、プロ志望届を提出した選手たちは運命の日を待つこととなる。

昨年、早大は4球団競合で楽天のドラフト1位指名を受けた早川隆久投手を輩出。ここまで新人ながら9勝を挙げる活躍を見せている。そして、今年、硬式野球部からプロ志望届を提出しているのは、徳山壮磨投手、西垣雅矢投手、岩本久重捕手の3人だ。

徳山は最速151キロを誇る右腕。伸びのある直球と、スライダーが武器だ。大学では1年春からリーグ戦に登板。3年時には最優秀防御率のタイトルも獲得している。しかし、今春はフォームを崩し、思い通りの投球ができず苦しんだ。今秋はここまで2試合に先発登板。9月20日の立大2回戦では制球を乱すなど5失点したが、直球は150キロを計測。2日の東大戦では最速149キロ、6回1/3を投げて1失点(自責0)。本来のボールを取り戻しつつある。

西垣は183センチの長身から最速150キロの直球と、大きく曲がるスライダー、フォークを投じる大型右腕。報徳学園高時代は3年春の選抜に出場し、4強進出に貢献した。今年は2戦目を任され、ドラフト前最後の登板となった3日の東大2回戦では続投を直訴し、5安打完封の投球を披露した。岩本は3年時から早大の4番を務める強打の捕手。大阪桐蔭高時代は怪我で不完全燃焼に終わったが、進学後は1年時からリーグ戦に出場。ドラフト前最後の試合では本塁打を含む4打点の活躍でアピールした。

慶大は大学選手権MVP、不動の4番・正木智也ら3選手が提出

慶大からは昨年のドラフトでは木澤尚文投手(ヤクルト1位)、佐藤宏樹投手(ソフトバンク育成1巡目)が指名を受けた。今年は正木智也内野手、森田晃介投手、渡部遼人外野手の3人が志望届を提出している。

正木はリーグ戦通算10本塁打を誇る右の長距離砲として、プロからの注目を集める。広角に打ち分けることもでき、勝負強い打撃も光る。春季リーグ後の全日本大学野球選手権では、2本塁打9打点の活躍でMVPにも選ばれた。森田は小さなテイクバックから最速150キロを投じる右腕で、先発だけでなくリリーフもこなす。今春は防御率1.57で最優秀防御率賞に輝いた。通算の与四球率は1.77と制球力の高さも魅力の1つだ。

渡部遼は身長170センチ、68キロと小柄な左投げ左打ちの外野手で、慶大のセンターを守る。1年春からリーグ戦に出場し、50メートル走を5秒9の俊足を生かした広い守備範囲で、チームのピンチを幾度も救ってきた。打撃が課題とされていたが、昨年の冬から打撃改革に着手。大学選手権では16打数9安打、打率.563の大活躍で、首位打者賞を獲得。今季も4試合に出場し、ここまで19打数10安打、打率.526と絶好調だ。

東京六大学リーグでは、9日からの第4週には新型コロナウイルス感染拡大のため活動を停止していた法大が今季最初のカードに臨む。志望届を提出している三浦銀二投手(4年)や山下輝投手(4年)ら6選手は、この2試合が秋のリーグ戦では最初で最後のアピールの場となる。昨年、同リーグからは15選手が志望届を提出し、8選手がプロ入り。今年は16人が提出しているが、指名されるのは何人になるだろうか。(Full-Count編集部)

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