アウディ/ポルシェのF1参入が現実的に。PUのMGU-H廃止に現マニュファクチャラーが合意との報道

 次世代F1パワーユニット(PU)からMGU-H(熱エネルギー回生システム)を廃止し、よりシンプルで低コストなシステムにすることで、FIA、F1、パワーユニットマニュファクチャラーが合意する見通しが立ったとドイツメディアが伝えた。これはアウディとポルシェがF1に参戦することを意味するという。

 新パワーユニットに関するレギュレーションを決めるため、F1関係者は長期間にわたり協議を続けている。フォルクスワーゲングループはF1参入に関心を持っており、アウディとポルシェがこの会合に参加している。

 第14戦イタリアGPの週末に関係者がパワーユニットに関する会合を行った。その時点ではまだいくつか問題点が残っていたといわれるが、『Auto Motor und Sport』の最近の報道では、次戦トルコGPまでに、2026年に導入する予定のパワーユニットの大まかなコンセプトについて合意がなされるとF1側は確信しているという。

2021年F1第10戦イギリスGP 2022年型F1マシンのショーカーを囲むドライバーたち

 既存マニュファクチャラーであるフェラーリ、メルセデス、ルノーと2022年からホンダのパワーユニットを引き継いで活動するレッドブル・パワートレインズは、新たなマニュファクチャラーがF1に参入し、長期的に活動することを条件に、MGU-Hの廃止に合意するという。つまり、この変更が決定した場合、ポルシェとアウディがF1に参戦することになると、『Auto Motor und Sport』は伝えている。

 現状では、パワーユニットの複雑さとコストにより、新マニュファクチャラーが参入することは困難だ。次世代パワーユニットは、多数の共通パーツが取り入れられたV6ターボであり、コストが大幅に削減される見込みであり、新たにサステナブルな燃料が導入される。性能低下が予想されるため、MGU-K(運動エネルギー回生システム)は最高出力が現在の120kWから350kWに引き上げられるという。

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