【スイッチ検討会議】産婦人科医会が意識調査の表現をお詫び/

緊急避妊薬のスイッチOTC化を要望している市民団体の「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト」は、日本産婦人科医会の資料に対し、「結果の歪曲が疑われる結論が存在する可能性が考えられた」として、公開質問状を提出した。

10⽉4⽇に「第17回医療⽤から要指導・⼀般⽤への転⽤に関する評価検討会議」が開催される予定でおり緊急避妊薬のスイッチ化が議論される。この会議に対して、日本産婦人科医会は産婦人科医に対して行った緊急アンケート調査の結果を提出していた。

資料では、産婦人科医におけるOTC化の意見について「反対」37%、「現状のままでは反対」54%、「無条件で賛成」8%と記載。見解として、「課題が解決されていない現状のままでのスイッチOTC化には、産婦人科医の91%が反対であった」としていた。

しかし、市民団体が入手した元のアンケート調査では、当該の箇所と思われる項目では、以下の質問となっていた。

■20 現在、緊急避妊薬を薬局で処方箋なしで販売すること(OTC 化)が検討されています。これに
ついて、ご意見をお聞かせ下さい。(1つだけ選択)
1 賛成(条件付き賛成を含む)
2 反対

■20 で「1 賛成」を選択された方へ、緊急避妊薬の OTC 化を検討するにあたって、設けた方が
良いと思う要件または必要と思われる取り組みについて、ご意見をお聞かせください。(1 を
選択した方以外は複数回答可)
1 無条件で賛成(注:ここを選択した方は、以下の回答は不可)
2 性教育の充実
3 性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの充実
4 性暴力の加害者を生まないようにする取り組み
5 3 週間後の近隣産婦人科施設への受診
6 3 週間後に妊娠検査薬を使うなど妊娠検査の実行
7 緊急避妊薬販売時に面前で服用してもらうこと
8 男性への販売を禁止
9 複数錠の販売を禁止
10 十分な研修を積んだ薬剤師による販売と服薬指導
11 未成年への販売に要件を設ける
12 その他(

市民団体では、元の調査では「賛成(条件付き賛成を含む)」であったものが、「現状のままでは反対」に置き換えられた可能性があるとして、「結果の歪曲が疑われる結論が存在する可能性が考えられました」としている。

公開質問状の具体的な質問例は以下の通り。
【質問①】質問⽤紙 設問 20、21 において緊急避妊薬の OTC 化について「賛成(条件付き賛成を含む)」と回答した⼈のなかで「検討にあたって設けた⽅が良いと思う要件または必要と思われる取り組み」を選択した⼈が、提出資料においては「現状のままでは反対」とラベリングされています。そして、「現状のままでのスイッチ OTC 化には、産婦⼈科医の 91%が反対」という結論になっています。これは、結果の歪曲でしょうか?

市民団体では、⽇本産婦⼈科医会の関係者に対して、早急な質問状への回答を求めているほか、厚⽣労働省に対しても公開資料の信頼性が担保されていることの確認を求めている。
また、評価検討会議においても質問状の内容を確認した上での、「⼈権尊重と科学的根拠に基づいた議論をしていただくことを要望する」としている。

本公開質問状と要望は10月3日、厚⽣労働省 医薬・⽣活衛⽣局 医薬品審査管理課と、「義務教育からの包括的性教育の推進と確実な避妊法の普及を進めるプロジェクト」関係者宛に提出された。

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