豊田章男オーナー、WRCフィンランド勝利にコメント「ホームタウンのファンの皆を笑顔にしてくれた」

 WRC世界ラリー選手権第10戦フィンランドが10月1~3日に行われ、豊田章男氏がオーナーを務めるTOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタ・ヤリスWRC)が、第4戦ポルトガルでの勝利以来となる2021年シーズン2勝目をマークした。

 フィンランドに拠点を置くトヨタチームにとって“ホームイベント”となる今戦『ラリー・フィンランド』は、2019年以来2年ぶりの開催となり、大会がコンパクト化されると同時に例年は夏に行なわれるイベントが秋に実施された。しかし、こうした変更のなかでも大会3連覇中のトヨタ・ヤリスWRCはスピードを発揮し、エバンスのドライブによって見事4連覇を達成した。この結果を受けて同チームの豊田オーナーがメッセージを発している。

 豊田チームオーナーのコメント全文は以下のとおりだ。

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今シーズンは4度のホームラリーがあるはずでした。ヤリスを開発・生産する日本でのラリー、チームが工場を構えるエストニア、そして本拠地であるフィンランドでの2度の戦いです。

2月のアークティックラリーは2位に留まり、7月のエストニアではカッレ(・ロバンペラ)の頑張りで勝利できましたが、今回はチームが本拠を構えるユバスキュラが舞台。本当の意味でのホームコースです。そして日本は中止になってしまったので、なんとしても勝ちたい……。ドライバーたちも、チームのみんなも、そして代表のヤリ-マティ(・ラトバラ)も、いつも以上にプレッシャーがかかっていたと思います。

そのなかでエルフィン(・エバンス)とスコット(・マーティン)が勝利し、ホームタウンのファンのみんなを笑顔にしてくれました。ヤリスWRCが生まれた街、育てられた道に恩返しができたような気持ちです。

エルフィン、スコット、そしてチームのみんな、ありがとう。ふたりは今季、一度もリタイアせず必ず最後のパワーステージまで走りきってくれています。それによりヤリスは確実に強くなりました。そのことにも心から感謝したいと思います。

セブ(セバスチャン・オジエ)とジュリアン(・イングラシア)は不利な出走順にも関わらず、着実な走りでポイントを獲得してくれました。あと2戦、最高のシーズンエンドを迎えるべくセブらしい強い走りを見せて欲しいと思います。カッレと(勝田)貴元には、慣れ親しんだフィンランドの道でしたが、悔しさの残るラリーになってしまいました。しかし、未来につながる学びがあったと思います。いつかふたりが地元のファンを笑顔にする日が来ることを期待しています。

今シーズンも残り2戦、引き続き、ヤリ-マティを中心にチーム全員が心をひとつにして走り抜いてください! そして、チームのみんなが笑顔になれるシーズンエンド……ファンの皆さんに笑顔になってもらえるシーズンエンドをよろしくお願いします!

追伸 ヤリ-マティへ
自分でシャンパンを持たないポディウムはどうでしたか? 3年前にユバスキュラで君と一緒に上ったポディウムを思い出したよ。前にも言ったけど、あの時、僕はオィットに渡されたシャンパンを真っ先に君の方に向けていた。君と上れたポディウムが、それくらい嬉しかった。君もフロントに入ってしまったから、ふたりで一緒にポディウムに上ることはできなくなってしまったけど、また現地で一緒に戦いたい。その日が1日も早く来ることを願っています。どっちがポディウムに上るかは、その時になったら相談しよう!

追伸 エサペッカ(・ラッピ)とヤンネ(・フェルム)へ
カラーリングは違ったけど君たちが地元フィンランドでふたたびヤリスに乗ってくれてうれしかった。ヤリスで参戦し始めた2017年、チームにとっての2勝目をあげてくれたのがユバスキュラで走った君たちだった。今回、惜しくもポディウムには立てなかったけど素晴らしい走りでの4位おめでとうございます! 3年ぶりのヤリスの乗り心地はどうだったか? また聞かせてください!

2021年WRC第10戦ラリー・フィンランドの表彰式
エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC) 2021年WRC第10戦フィンランド

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