【横浜・病院点滴中毒死】被告の同僚看護師の調書朗読「点滴袋に泡が充満していた」 横浜地裁公判

事件のあった旧大口病院。横浜はじめ病院と改称したが、現在は休診している=横浜市神奈川区

 横浜市神奈川区の旧大口病院(現横浜はじめ病院)で2016年、入院患者の男女3人の点滴に消毒液を混入して中毒死させたとして、殺人罪などに問われた元看護師久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判の第2回公判が4日、横浜地裁(家令和典裁判長)であった。検察側が、同僚看護師らの供述調書などから事件発覚の経緯を明らかにした。

 一連の事件は、16年9月20日未明に死亡した男性=当時(88)=の点滴袋の液体が異常に泡立っているのに看護師が気づいて発覚した。

 検察側は4日の公判で被告の同僚看護師の供述調書を朗読。「男性の点滴袋の上半分にシャボン玉のような大きな泡が充満していた。こんなに泡立った点滴を見たことがなかった。鳥肌が立って震えてしまった」とした。

 現場に居合わせた看護師から異変を知らされ、同病院に出勤した看護部長の供述調書では「通常は非常に小さな気泡ができてすぐ消えてしまうが、大きな気泡が多数出てきて消えなかった。40年の看護師業務で経験したことがなく、非常事態と思った」とした。

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