年間600万トンの食品ロスを救え! さまざまな食品ロス削減サービスが実施中

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。9月14日(火)放送の「フラトピ!」では、多様化する“食品ロス削減サービス”について取り上げました。

◆スターバックスがスタートした食品ロス削減対策

現在、日本ではまだ食べられるのに廃棄されてしまう食品、いわゆる「食品ロス」が年間600万トン発生。これは計算すると国民1人あたり毎日お茶碗1杯分のご飯を捨てていることになります。

今回そんな食品ロスを削減するための新たなサービスを紹介してくれるのは、NewsPicksのプロピッカーで食品ロスの専門家・篠田沙織さん。篠田さんが運営する国内最大級のフードシェアリングサービス「TABETE」は、まだ安全かつ美味しく食べられるのに店頭では売り切るのが難しい食品を店舗側が割引価格でアプリに掲載し、それをユーザーが購入できるというサービス。現在は登録店舗数が約1,800店舗。これまで購入された商品は累計17万食にものぼります。

そんな篠田さんが紹介する食品ロス削減サービス、まずはスターバックスの「SAVE FOOD」。これは8月から実施されているプロジェクトで、ドーナツやケーキ、サンドイッチなど売れ残りのフード商品を各店舗の当日の在庫状況に応じて閉店3時間前から20%オフで販売するという取り組みです。食品廃棄を減らすとともに、この売り上げの一部はNPO機関に寄付され、「子どもたちの食と未来」を支援するために充てています。そして、スターバックスは2030年までに店舗から出る廃棄物の50%削減を目指しているとか。

TABETEやスターバックスのように売れ残り食品を割引して販売するとなると、値引き商品目当てのお客さんが増えることが心配されますが、その対策も折り込み済み。篠田さんは「TABETEでは当日に何個の商品が何時に出るのかわからないようになっているので、値引きを待っていてもその日に出るかわからない。基本的に値引き待ちのお客さんが現れない仕組みになっている」と解説します。

◆捨てられていたカカオ豆の皮を使ってお茶に

現在は食品ロス削減のための食品も生まれており、それがカカオ豆の皮で作った「カカオ煎茶」。これはほとんど活用されずに廃棄されてしまっているカカオ豆の皮「カカオハスク」と有機茶葉をブレンドしたお茶です。

実際に飲んでみると、キャスターの堀潤は「ちょっとココアのような香りが。おいしい」と思わず声が漏れます。また、キャスターの田中陽南も「後味もふわっとカカオの味がして、よくお茶と合う」と頬を緩めます。

篠田さんは「これだけ香りが高く、美味しいカカオハスクが使われていなかったということはすごくもったいないし、こうしてお茶になって美味しく飲めるのは素晴らしいこと」と称賛。さらには「捨てられていたカカオハスクを販売することで、より環境に良い効果が見込まれ、しかも売り上げがカカオの生産者にも還元され、良い循環が生まれる」と大きなメリットがあることを指摘します。

◆グリーンライフポイントに新使用期限、政府も展開

また、政府も食品ロスに対して新たな取り組みを行っています。その1つが、環境省が最短来年4月からの実施を発表している「グリーンライフポイント」。これは環境に配慮したアクションをしている個人に対してポイントを発行するというもので、例えば販売期限が迫った食品の購入や、食べ残しを持ち帰るなどの行動をしたときにポイントが付与されます。

そして、このポイントはスーパーやコンビニ、家電量販店などの既存のポイントサービスに上乗せする形で発行され、それぞれの店舗で使用可能。篠田さんは「消費者からすると、こうした金銭的なインセンティブがあることで、よりそういった行動をとりやすくなるので効果が見込めると思う」と期待を寄せます。

さらに、消費者庁の「新使用期限」という制度もあり、これは全国の賞味期限が過ぎてしまった災害用備蓄食品を検査し、安全面に問題ないと判定された食品に新たに使用期限を設定するというもの。この問題ないと判断された食品は「生活応援食品」として、子ども食堂や生活困窮者に無料で配布されるという取り組みです。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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