2016年のドラフト選手の今 田中正義や佐々木千隼が競合、下位に球界のエースが

中日・柳裕也(左)とロッテ・佐々木千隼【写真:荒川祐史】

中日・柳がリーグを代表する投手に、虎・大山はチームの主砲

今年のドラフト会議は10月11日に開催される。9月27日には高校生、大学生の「プロ野球志望届」提出が締め切られ、高校生は159人、大学生は139人の計298人が提出した。

毎年多くの新人が入団するプロ野球の世界。即戦力としてルーキーイヤーから活躍する選手がいれば、数年後に頭角を現す選手もいる。ドラフトの成果が表れるのは5年後とも、10年後とも言われる。そこで、5年前の2016年のドラフト会議を回顧。5年の月日を経て、各球団でどれだけの成果が出ているか、検証してみよう。

【2016年のドラフト1位】
○セ・リーグ
広島 加藤(現・矢崎)拓也投手
巨人 吉川尚輝内野手
DeNA 浜口遥大投手
阪神 大山悠輔内野手
ヤクルト 寺島成輝投手
中日 柳裕也投手

中日・柳は今季2年ぶりの2桁勝利を既に達成。防御率、奪三振もトップを走り、リーグを代表する投手になった。阪神・大山は昨季自己最多の28本塁打をマーク、今季もチームで最も多く4番を任されるなど中軸として欠かせない存在だ。DeNA浜口は今季初めて開幕投手を務め、巨人・吉川は二塁の定位置を掴んでいる。

日本ハム・堀とロッテ・佐々木千がリーグ有数のリリーバーに成長

一方、パ・リーグの1位指名を見てみると

○パ・リーグ
日本ハム 堀瑞輝投手
ソフトバンク 田中正義投手
ロッテ 佐々木千隼投手
西武 今井達也投手
楽天 藤平尚真投手
オリックス 山岡泰輔投手

オリックスの山岡が2019年に13勝を挙げて最高勝率のタイトルを獲得。ただ9月に右肘を手術しており、来季の復活が期待される。外れ1位で5球団が競合したロッテ佐々木千は今季ブレーク、勝利の方程式の一角を担い防御率1点台前半、ホールドポイント(HP)は30に到達した。西武・今井は先発ローテの一角を担い、日本ハム・堀はリーグトップの38HPをマークしている。

ドラフトで5球団から1位入札されたソフトバンク田中は故障に苦しんできたが、今季は6月下旬に1軍昇格。飛躍のきっかけをつかみつつある。

1位指名を受けた12選手の中では、広島・矢崎が今季4試合、ヤクルト寺島は1試合登板にとどまり、楽天・藤平は1軍登板機会がない。

西武・源田壮亮(左)とオリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

オリ4位の山本は球界のエースに、西武3位の源田は球界屈指の遊撃手

では、2位以下の主な選手も見ていこう。オリックスが4位で指名した山本由伸が2年目から台頭。今季は勝利数、防御率、奪三振でトップを独走する。侍ジャパン日本代表でも東京五輪金メダル獲得に貢献し、球界を代表する投手になった。

西武3位の源田は2017年パ新人王で、ベストナインとゴールデングラブ賞を昨年まで3年連続受賞。侍ジャパン東京五輪代表にも選出された。同5位の平井克典は2019年に81試合に登板してリーグ優勝に貢献した。

楽天は2位で池田隆英、3位で2018年新人王の田中和基、9位で高梨雄平を指名。池田は日本ハムへ、高梨は巨人へトレードされ、それぞれ新天地で結果を残している。10位指名の西口直人も1軍に定着している。ロッテ2位の酒居知史はトレード先の楽天で活躍している。

DeNAでは、9位指名の佐野恵太外野手が昨季初めて規定打席に到達し首位打者を獲得。チームに欠かせない選手になった。巨人では2位の畠世周、9位の大江竜聖が救援として奮闘。阪神は5位の糸原健斗が二塁の定位置を確保し、中日2位の京田は2017年セ新人王を受賞した。

ヤクルトでは2位星知哉、3位梅野雄吾がブルペンの一角として活躍(梅野はシーズン途中で離脱)、5位の古賀雄大も捕手として存在感を示す。広島4位の坂倉将吾は捕手ながら3割をマークする打棒で注目を集めている。(Full-Count編集部)

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