サッカー・W杯隔年開催案に女子プロリーグ連合が「NO」

FIFAジャンニ・インファンティーノ会長も悩みどころだ(ロイター)

欧州10か国の女子プロサッカーリーグと欧州サッカー連盟(UEFA)が、W杯の隔年開催案に反対する共同声明を出した。英公共放送局「BBC」など欧州メディアが報道した。

現在国際サッカー連盟(FIFA)が主導してW杯の隔年開催案の議論が進められているが、共同声明では真っ向から反対を表明。「FIFAの計画どおり男女のW杯が隔年で開催されたならば男子サッカーのスケジュールが複雑になり、女子サッカーの注目度が落ちて成長も減少することになるだろう」と主張した。男子サッカーのビッグイベントが絶え間なく行われることにより、女子サッカーへの注目度が大幅に下がるというわけだ。

また「2年ごとにW杯が開かれると、それだけ女子選手たちの身体と精神の健康にも有害な影響を与えるだろう」と過密スケジュールが特に女子選手には深刻な影響をもたらすと警告した。さらに「低開発国家の女子サッカー代表チームはAマッチデーの相手を見つけることも難しくなるだろう」と強豪国とそれ以外の国との間で強化の格差が広がることにも懸念を示した。

こうした点を踏まえて「女子サッカーの立場が急速に成長しているのはたしかだが、まだ完全に成熟していないことを考慮すると慎重な判断が必要である」と強調。女子サッカー界の総意としてW杯隔年開催案に対して断固反対の立場を鮮明にした。

FIFAは男女平等の観点から女子サッカーを近年重要視しており、女子選手たちからの〝生の声〟は無視できないだろう。今後の議論にどのような影響が出てくるか注目が集まる。

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