東アジア反日武装戦線を追ったドキュメンタリー映画「狼をさがして」の上映中止を映画館に執拗(しつよう)に迫ったとして、神奈川県警伊勢佐木署は5日、強要未遂の疑いで、ともに右翼団体に所属する建設作業員の男性(48)=横浜市緑区=と会社員の男性(44)=川崎市宮前区=を書類送検した。
署によると、2人は「反日的な映画だと思った」などと供述、容疑をおおむね認めている。2人とも映画を見ていなかったという。
書類送検容疑は、共謀して5月7日午後3時20分ごろ、横浜市中区の映画館「横浜シネマリン」に押し掛け、配給会社の男性社長(63)に対して1時間以上にわたり、「街宣活動を継続的に行う」などと脅迫して映画の上映中止や責任者への面会を要求した、としている。
署によると、2人は県内に拠点がある別々の右翼団体に所属。配給会社側が被害届を提出し、署は8月に2人の自宅を捜索していた。
映画は、1970年代に三菱重工本社などで連続爆破事件を起こしたメンバーや家族、支援者の証言をたどる内容。横浜シネマリンの周辺では4月下旬以降、右翼団体が上映中止を求めて街宣活動を実施したが、同館は「反日的との批判は的外れ」として上映を継続した。