初心者大歓迎!女性だけのカート大会『マドンナカート』体験レポート

9月下旬。秋晴れの空の下、千葉県・新東京サーキットにて女性だけのカート大会『M4 マドンナカート』が開催された。会場には、モータースポーツを楽しみたいという女性たちが集結し、爽やかな笑顔で溢れていた。今回は、カート初心者であるdino.network女子編集部員が実際に参加し、大会の模様を体験レポートという形にてご紹介する。

『M4マドンナカート』とは?

M4マドンナカート(通称:マドンナカート)の『M4』とは、Masters 4 stroke(マスターズ・4ストローク)の略。年間で争うシリーズ戦ではなく、レンタルカートの耐久レースとして企画されたものであり、今年で第3回目の開催となる。

本大会の目的は、カート初心者の女性を対象に『安全に誰でも楽しく完走すること』。レースの順位や勝ち負けではなく、“カートを楽しむこと”をコンセプトに開催している。

新型コロナ対策として、マスクの着用及び検温とアルコール消毒も徹底されている

レース形式は、1チーム2〜4名で競う60分間耐久レース。自動車運転免許(AT限定可)を取得する満20歳以上の女性を対象に、当日は25チーム/計67名もの女性ドライバーたちが集った。

また、車のレースは各々のマシンにて出場するイメージだが、本大会で使用するカートは、主催者が用意するレンタルカートにて行う。ヘルメットとグローブの着用、規程の服装さえ守れば、長袖・長ズボンでも参加することができるのだ。

初心者安心のサポートが充実

当日(2021年9月19日)は台風14号の影響が心配されたが、台風一過により開催を祝福するような最高の天気となった。

開催会場の 新東京サーキット は、千葉県市原市にある日本自動車連盟(JAF)の公認のレーシングカート専用サーキット場。マドンナカート以外にもさまざまなカートレースが開催されている他、カート初心者に向けたレンタル走行なども行っている。全長1,076mのコースは筆者にとって非常に広く感じたが、久しぶりの屋外での活動に開放感と高揚感でいっぱいになった。

会場には、配布されたマドンナカートの白Tシャツを着用した参加者の女性が多数集結していた。レーシングスーツに身を纏う女性たちも多く、その着こなしと明るい笑顔は爽やかでとてもかっこいい。大会への気持ちがグっと高まった。

走行前、参加者に向けたブリーフィングと初心者講習が行われた。使用するフラッグやボードの意味、ドライバーの交代方法、その他レース上の注意点などを丁寧に説明。

初心者講習では、カートの乗り方・操作方法・スピンしてしまったときの対処法などもレクチャーしてくれたため、より理解が深まり、安心して大会に臨むことができた。

ルール説明とピットエリアへの図解資料なども配布され、レース直前まで復習することができ、こうした充実サポートがカート初心者にとって大変ありがたかった。

その後、チーム一斉にて約20間の練習走行が行われた。筆者は過去に別のサーキット場にて走行経験があったが、複数人の中で走ることはなかったため、少々緊張していた。

エンジンのかけ方を忘れてしまい、少々焦りながらのスタート

カート経験者は速く、間近でカートを抜く技術を目の当たりにし、体験したことのない新鮮な驚きが感じられた。周囲に圧倒されながらも、「速い人は抜いていくので、まっすぐ走ることを心がけてください」という講習での言葉を守り、自分のペースで走ることができた。

また、新東京サーキットのコース幅は、最大11.5m 最小8mとやや広い印象だったため、速いカートに抜かれる際も余裕が感じられ、その点が個人的に安心だった。

その後は記念撮影を終えて、いざカートマドンナがスタートする!

いよいよ大会スタート!dino.networkチームは…?

25台のカートがスタートラインに配置され、ヘルメットを被った女性ドライバーがそれぞれのカートに乗車。dino.network(モーターマガジン枠)チームは、26番のカートとなった。

本大会は、60分間の耐久レースの中で、1チーム何周したか周回数の多い順よりランキングが発表される形式。今回2名にて参加したため、15分間毎に交代を行うことにした。

ちなみに、ドライバー交代のタイミングは、チームで決めることができるため、本格的なレースでは走行時間の配分や人数などもレース運びに重要な鍵となるようだ。

筆者とチームメイトは、15分間走行したことがなかったため、とにかく60分間完走することを目標にレースに臨んだ。

さて。いよいよ、本番。いざ、スタート!!

先行はチームメイトが走行。25台ものカートの中で落ち着きながら走行し、順位は21番という快走を見せた。新東京サーキットのコースにはカーブが8箇所あるのだが、ターンも確実にこなしていた。その姿を心の中で応援しながら「自分も落ち着いて頑張ろう」と励まされた。

レースの途中、スピンをしてしまうカートもいくつかあったが、すぐにスタッフが駆けつけてサポートしてくれるため安心だ。

15分間は意外とあっという間で、すぐに筆者の出番となった。あと1分の交代ということで、ピットサインを出す。

待ち時間はかなり緊張していたが、グローブとヘルメットを着用すると不思議と身が引き締まり、レースへの気持ちに切り替えることができた。

講習でのルールを守りながら、ピットエリアへ移動。スタッフの方もわかりやすく誘導してくれるため、スムーズに交代することができた。

ドライバー交代後、ピットエリアは徐行にて確実に進む

コースに出てハンドルを切るとやはり気持ちが良い。車の運転とは全く違ったスピードの体感と、何より肌で風を感じることができるのがカートの魅力だ。

実は、筆者は普段車の運転をあまりしないのだが、この楽しさと開放感故に自信を持って走行している自分に気付いた。

右足がアクセル、左足がブレーキ。ハンドルとペダルでカートを操作する

ストレートもカーブもそれぞれ面白さがあり、周を重ねるごとに気づきや発見がある点も興味深かった。カーブは遠心力がかかり、少しでも加速してしまうとスピンしてしまいそうになる。走行中のコース取りも重要だということが段々と理解することができた。

慣れてきたこともあり、勝負ごととなるとつい熱が入ってしまいがちな筆者であったが、熱くなりすぎず程よい緊張感の中で走行することができた。

プロライダーの同乗走行(有料)もあり、プロの技術を体験することができる
交代毎に表に印を付けるのがルール

再びチームメイトにバトンタッチ。カートを降り、ヘルメットを外す。身体に余韻が残り、心地良い疲労感が感じられた。

安定した走りを見せるチームメイト

我々チームは一人2回ずつ走行していたが、チームによっては何度もドライバーを交代しているチームもあった。記録を目指し、それぞれのチームにて策を講じられるのが面白い、と思った。

最終チェンジとなり、筆者に交代。2回目ということもあり、2度ほどスピンしてしまう箇所もあったが、走ることが純粋に楽しいため、気を落とすことなく「また走り出そう」と思うのだから不思議だった。

次第に抜きつ、抜かれつの接戦も楽しむことができ、“カートに乗る”だけでなく“レースを楽しむ”という気持ちに変わっていったのが感じられた。

そして、60分間の耐久レースを無事に完走!

ピットエリアにはスタッフ、参加者が揃い拍手で迎えられ、それがなんとも嬉しく達成感のある瞬間だった。

その後は昼食タイムを取り、表彰式が行われた。

dino.networkチームの順位は23番(42周)と初挑戦ながらも大健闘であった。1位のチームは2チームあり、57周という記録。抽選により景品のプレゼント、さらにレーシングスーツが贈られた。

その他にも参加賞のお土産や、当日出店していたシンガポール発祥の小籠包と餃子の専門店 京華(ジンホア)の餃子などが振る舞われるなど、サービスも充実。終始賑やかな表彰式であった。

初心者にもオススメ “非日常体験”をマドンナカートでぜひ

今回、マドンナカートにチャレンジしてみて、日常生活では味わうことのない興奮と開放感を得ることができた。

はじめはうまく運転できるか、完走できるのか不安だったが、いざカートに乗ってみるとその開放感と楽しさ故に不思議と自信が湧き、自動車の運転とはまた違った面白さにハマり、すっかりカートに夢中になっていた。

久しぶりの屋外イベントは開放的でとても楽しかった。マスク越しではあるが、屋外の風を感じることができ、心身共にとてもリフレッシュになった。また機会があればぜひ参加したい。そしてカート初心者の女性もぜひ参加していただきたい。

また、男女どちらもで参加可能な4時間耐久レース『M4』も開催している。レース体験に興味のある方はぜひチャレンジを。

[M4カート公式サイト]

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