国内ワクチン有効率85%超 長崎大熱研などが解析結果発表

会見でワクチンの有効性を説明する森本教授(左)ら=長崎市坂本1丁目、長崎大坂本キャンパス

 長崎大熱帯医学研究所を主とする研究グループは5日、国内で使用されている新型コロナウイルスワクチンの発症予防における有効性の解析結果を発表した。ファイザー社かモデルナ社製のワクチンを2回接種した際の有効率は86.8%。英国など海外のデータと同様の効果が確認された。
 長崎大によると、ワクチン有効性に関する研究は海外が中心で、国内で暫定的な解析結果を発表したのは国立感染症研究所と同大だけ。
 研究は「デルタ株」の流行が広がった7~8月、国内10カ所の医療機関で新型コロナの検査を受けた16~64歳の890人を解析した。陽性は290人、陰性は600人。ワクチン接種の有無や接種回数、ワクチンの種類などから有効率を分析した。ファイザー社製(2回接種)は85.6%。モデルナ社製とともに変異株に有効だった。
 同研究所呼吸器感染症学分野の森本浩之輔教授は「海外とは人種や社会背景、感染対策が異なる日本で独自のデータを得たのは意義深い」と述べた。今後さらにデータを蓄積し、新ワクチンや3回目の接種、ワクチンの効果が持続する期間などについて調べる。


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