金子農相初登庁 諫干非開門主張 衆院選後視察し「佐賀県側の意見聞く」

就任会見に臨む金子農相=農水省

 金子原二郎農相は5日、農林水産省に初登庁し、就任会見や新旧大臣の事務引き継ぎに臨んだ。国営諫早湾干拓事業の開門問題については会見で、非開門の姿勢を明確にし、衆院選後に現地を視察して佐賀県側の意見を聞く考えを示した。
 金子農相は長崎県知事時代を含め、諫早湾干拓事業を推進してきた。会見では、非開門の判断が続く開門関連訴訟に言及しながら「国としては(開門は)やらない。そこはご理解をいただきたい」と強調した。
 衆院選後に現地視察する意向を示し「長崎県の事情はよく分かっている。佐賀県の皆さんの意見を聞きながら取り組んでいきたい」と話した。
 金子農相は4日の内閣発足の際、岸田文雄首相からコメの価格下落懸念への対応策を早急にまとめるよう指示を受けた。この点に「今、省内部でいろいろ検討している。党の意見、生産者の意見を聞きながら、できるだけ速やかに対応策を考えたい」と述べた。
 会見では、全国的な漁業不振や農協改革、農産物の輸出入などの課題について質問が相次いだ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や営業時間の短縮の影響を受けた外食産業に関しては「支援する」と言及し、農林漁業者や食品産業従事者の生産継続や販売促進に向けた対策を進める考えを示した。


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