全国で今年初 平戸の女性が「日本脳炎」発症 長崎県内2016年9月以来

 長崎県は5日、平戸市の70代女性が日本脳炎を発症したと発表した。日本脳炎の発生は県内では2016年9月以来。全国では今年初めて。
 県によると、日本脳炎はウイルスを持つ豚などの血を吸った蚊に刺されることで感染する。主にコガタアカイエカが媒介。人から人への感染や、感染者を刺した蚊に刺されて感染することはない。
 女性は、9月17日に全身に倦怠感(けんたいかん)や発熱があり、症状が続いたため医療機関を受診。検査で日本脳炎ウイルス遺伝子などを検出し、10月4日に日本脳炎と診断された。軽症で、現在は入院中という。
 流行予測を目的にした県のウイルス感染状況調査によると、9月28日、県環境保健研究センターで出荷前の豚を調査したところ抗体を検出した。県は「蚊が活動する秋ごろまでは引き続き注意が必要」とし、ワクチンの接種や蚊に刺されない対策で感染を予防するよう呼び掛けている。


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