「首里城が好き過ぎる」元職員が写真展 180点、まっすぐな愛 沖縄市

 首里城公園で働いていた経験があり、首里城が好き過ぎるという会社員の大城昌子さん(40)=那覇市=が撮りためた写真展が5日、沖縄市で始まった。会場に展示されているのは大城さんがスマホで撮影し、ネットのインスタグラムで紹介していた写真約180点。プロの写真家ではないが、首里城への真っすぐな愛が多くの共感を呼び、実現した。

 「自分に何かできることはないか」。1年ほど前、こんな思いが大城さんの頭によぎった。インスタグラムで紹介していた写真をより多くの人に見てもらおうと写真展を企画した。クラウドファンディングを始めると、賛同する人が資金を提供。1カ月で目標額の30万円に到達した。最終的に40万円が集まった。

 写真展では首里城で働き始めた2017年2月から火災までの2年8カ月に撮影した写真が並ぶ。正殿やお気に入りという「久慶門」などの門、公園で働く人々の様子が大城さんの目線で切り取られる。

 写真展は元同僚の嘉手苅舞乃さん(36)=うるま市、山里しのぶさん(41)=宜野湾市=に協力してもらいながら、資金集めから会場選定、グッズ作りに励んだ。嘉手苅さんは「昌子さんの写真に感動した。写真展をやってほしかった」と振り返る。

 首里城は火災から今月末で丸2年がたつ。復旧の様子は「見せる復興」として公開されていたが、新型コロナの影響で休園が長く続いた。大城さんは「みんなが私の首里城への愛に協力してくれて実現した。写真を見て何か感じてもらえたらいい」と来場を呼び掛けた。写真展は沖縄市中央のアートギャラリーsoranoeで10日まで。午前10時半から午後6時。入場無料。

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