「パリで連覇目指す」 長崎県民栄誉賞 永瀬、今後の目標語る 一問一答

「3年後のパリ五輪に向けて気持ちをつくっていきたい」と語る永瀬=県庁

 東京五輪の柔道男子81キロ級金メダリストで、混合団体銀メダルメンバーの永瀬貴規(旭化成、長崎市出身)が5日、県庁で県民栄誉賞の表彰を受けた。式後に臨んだ記者会見で受賞の感想や今後の目標などを語った。主な一問一答は次の通り。

 -県民栄誉賞を受賞した感想を。
 まさか自分が、こんな素晴らしい賞をいただけるなんて思っていなかった。こういう賞をいただいたからには、ますます成長していきたい。さらに身が引き締まる思い。

 -コロナ禍の影響で異例続きの五輪だった。
 大変な状況が続いて、大会が延期になり、いろんな声があるのは分かっていた。自分は大会が開催された時にしっかり結果を残すために準備するだけだと思い、どんな状況でも当日に最高のパフォーマンスを出せるように、日々稽古やトレーニングに励んでいた。たくさんの方の協力のおかげでオリンピックが開催されて、結果を出して恩返ししようと思っていたので、最高の結果で終えることができて良かった。

 -右膝の大けがを乗り越えて金メダルを取った時の気持ちは。
 前回のリオ大会以降の5年間、たくさんの挫折を経験したことで、人間的にも成長することができた。そういう経験があったからこそ取れた金メダルだった。

 -無観客で声援を肌で感じられなかったのでは。
 特殊なオリンピックではあったけれど、本番前に激励の言葉をいただくなど応援は感じられて、そういう方々の力を借りながら戦えた。大会後、多くの方にお祝いしてもらい、あらためてたくさんの方に応援していただいていたんだなと実感した。

 -自身にとって古里・長崎はどんな場所か。
 高校を卒業するまで育ってきた原点。長崎のみなさんは温かくて優しい方ばかり。最高の環境で育つことができた。柔道についても、どの指導者も素晴らしい方ばかりで、切磋琢磨(せっさたくま)し合える仲間らにも出会って支えられてきた。今の僕があるのは、その方々のおかげ。

 -自身に続いて金メダルを目指す地元の子どもたちへメッセージを。
 誰にでもオリンピックという舞台を目指す権利はあるし、努力し続ければかなえることもできる。自分の限界を止めずに、目標に向かって日々取り組んでいってほしい。

 -次の目標は。 これで終わりとは思っていない。まだまだ強くなっていきたいという気持ちは大きい。3年後、パリ・オリンピックがあるので、そこに向けて気持ちをつくって目指していきたい。

 -パリを目指す覚悟が出てきたのか。
 まだ100パーセントの覚悟ができていない自分もいるけれど、徐々にパリ大会に向けてのモチベーションは高くなってきている。現役選手でいるからには、オリンピックを目指したいという気持ちはある。連覇を目指して、また県民の皆さまにいい報告ができるように日々精進したいと、あらためてきょう強く感じた。

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