給油に頼らないGS経営とは? ある横浜の店舗の挑戦、営業利益1億円超

「スーパーステーション仲町台」に併設されている、レンタカー案内スペース。担当者が貸し出し手続きなどを行う=横浜市都筑区

 車検やレンタカーの貸し出しなども行うガソリンスタンドを運営しているMIC(ミック、横浜市都筑区)。ガソリンのみの販売で収益を上げることに苦戦する事業者が多い中、同社では年間1億円超の営業利益を上げる直営店舗もあるという。コンセプトは「ガソリンに頼らないガソリンスタンド」だ。

 「車に関連するサービスを幅広く提供している」

 同社開発部の安田倫チームリーダー(39)は、ガソリンスタンド「スーパーステーション仲町台」(同)についてそう説明する。

 1995年に開店。給油だけでなく、車検対応、良質な中古車を低価格で貸し出す「ニコニコレンタカー」の展開、車の販売などの取り組みを次々に行ってきた。

 「石油製品の輸入自由化などを踏まえ、ガソリンの販売だけで生き残ることは厳しいと実感、新しいビジネスモデルを考え始めた」と安田チームリーダー。サービスの拡充を続けてきたことで、同店の営業利益は「着実に伸びている」という。

 実際、2020年7月~21年6月の1年間の営業利益は約1億1千万円と、開店以来初の1億円超えを達成。さらに、同様の形態で運営している7店舗のうち、今年2月にオープンした店舗を除く6店舗の年間の営業利益は、平均5千万円程度に上るという。

 一般的なガソリンスタンドでは、年間営業利益が1千万円程度あれば「優秀」と言われる中、「順調に利益に結びつけられている」と手応えをつかむ。

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