池の水きれいにしたら…カワセミ飛んできた 横浜の県立三ツ池公園

池辺の木の枝に止まるカワセミ=6日、横浜市鶴見区の県立三ツ池公園

 神奈川県立三ツ池公園(横浜市鶴見区)にカワセミが飛来し、色鮮やかな羽を広げて飛び回る姿が訪れる人たちを楽しませている。この春に池の水を浄化してから頻繁に現れているといい、野鳥ファンらは「コロナ禍で大変な中、癒やしをもたらしてくれる」と喜ぶ。

 「いたよ」「こっちこっち」。6日早朝、池のほとりに集まった愛好家たちがカメラを携え、声を潜めた。構えた長尺レンズの先には木の枝にたたずむカワセミ。コバルトブルーの羽が朝日で輝き、獲物を見つけると素早く飛び立って池の中へ飛び込んだ。小魚を捕らえると、数メートルそばの人だかりにも動じず堂々とついばんでいた。

 同園の中村透副所長(62)によると、今年4月に池の水を浄化する装置を稼働させてから、頻繁に現れるようになったという。

 枯れた水草などが堆積し、よどんでいた池が少しずつ浄化され、「つがいで現れたり、親が子にえさを与える姿も目撃される」ことが日常となった。同園は今後、NPO法人に水中生物などの調査を依頼することを検討している。

 野鳥を撮影して20年という同区の小日向秀夫さん(72)は「他の鳥とは違う色の鮮やかさに目を引かれる。今日もいい写真が撮れた」と満足げ。車いすに乗る妻美代子さん(87)とともに散歩に訪れた同区の山下清次さん(85)は半年ぶりの外出でカワセミに遭遇し、「夫婦でいい思い出ができた。やっぱり自然はいいね」と目尻を下げた。

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