30年札幌冬季五輪は「完全な形」で 橋本会長の言葉を地元はどう聞く?

橋本聖子会長の「希望」は届くか

東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(57)は、札幌市が招致を目指す2030年冬季五輪を「完全な形」で開催することを熱望している。スピードスケートと自転車で夏冬7度の出場経験がある組織委トップの言葉は、地元にどう届いているのか。

同市によると、現在は「2030年札幌五輪」実現に向けて費用削減や環境に配慮した対策を検討するなど、当初の計画を見直して新たな大会計画の概要案を練っているという。スポーツ局担当者は「概要の発表時期は未定ですが、アスリートや学識者らの意見を踏まえ、その案をより高めていきたいと考えています」と説明した。

一方、東京五輪・パラはコロナ禍で開催の是非が問われただけでなく、大会費用が膨れ上がり3兆円を超える可能性もある。そのため国民が〝招致アレルギー〟を感じていてもおかしくない。

しかし地元関係者は「夏季五輪は33競技に対し、冬季五輪は7競技。東京のように、新たな会場を造らず1972年(札幌五輪)に使用した施設を活用できる」と、コストが軽減されると強調。さらに「二酸化炭素の排出量削減など社会的な課題は五輪・パラで解決できないかもしれないが、一つのきっかけにしたい」と話した。

橋本会長の〝願い〟についても「大観衆は一体感を生む」(同関係者)と歓迎しているが…五輪を巡る状況が好転するのか注目が集まる。

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