日本では不倫スキャンダルを起こした渡部建、闇営業騒動で所属の吉本興業を退社した宮迫博之らが、テレビ復帰を果たせていない。最近では女優・片瀬那奈が、自身の周囲で起きた薬物事件を発端にレギュラー番組がなくなり、事務所を退所した。
一方、中国では先月、メディアを管理する国家ラジオテレビ総局が、「低俗で下品な」娯楽作品を排除するとして、「道徳の欠落」した芸能人を取り締まり、共産党や国を愛する人物を重視するよう指示を出した。大まかにはアイドルオーディション番組や中性的外見の男性アイドルの出演規制など。
そうしたなか、中国当局が作成した「芸能人封殺リスト」が流出し、台湾メディアが報じた。政府がテレビ局やラジオ局、映画会社にリストに記載されている俳優たちの出演禁止を命じているわけだ。
複数の台湾メディアによると、「封殺リスト」は「政治問題」「風紀違反」「道徳・規範欠如」の3つのカテゴリーに分類され、中国と台湾の人気俳優やタレント、計25人の名前が記載されていたという。
「政治問題」で引っかかったのは、映画「レッドクリフ」などでハリウッドでも人気の女優・趙薇(ヴィッキー・チャオ)や、人気俳優・張哲瀚(チャン・ジャーハン)らがいる。
趙薇は株式投資をめぐって、中国政府が監視を強めるアリババグループと接近していたことが問題視されたとみられる。張哲瀚はかつて、日本の靖国神社を訪れていた。
「道徳・規範の欠如」には台湾の人気男性タレント・羅志祥(ルオ・ジーシァン)が記載されていた。羅志祥は中華圏で恋愛スキャンダルが絶えない独身のイケメンだが、恋愛さえダメなのか? 中国人ジャーナリストの周来友氏はこう語る。
「羅は1人の相手との恋愛ではなく、複数の女性との同時交際が報じられてきたので、『道徳・規範の欠如』であるとして、中国国内でのメディア出演を禁止することを決定したのです。中国では、過去の過ちさえ許されないということ。品行方正な人物でなければ、メディア出演できないというわけです」
羅は昨年、9年間交際していたセレブ女性の周揚青(ジョウ・ヤンチン)さんと破局。その後、周揚青さんがSNSで、羅のスマホを盗み見したところ、自分の友人のタレントやメークと関係を持っていたことがバレ、大騒動となった。
周氏は「多くの日本人タレントや動画配信者らが中国進出を果たす中、今回の『封殺リスト』があったというニュースは、そんな日本の芸能人の中国進出に影響を与えていくかもしれません」と指摘している。