ヒュンダイ、2022年の布陣確定。ダニ・ソルドとオリバー・ソルベルグが3台目をシェア/WRC

 ヒュンダイ・モータースポーツは10月6日、“ハイブリッド時代”に突入する2022年シーズンのWRC世界ラリー選手権に参戦する4人のドライバーを確定させ、3台目のマシンをダニ・ソルドとオリバー・ソルベルグに託すことを明らかにした。

 WRCの最高峰カテゴリーで、トヨタとMスポーツ・フォードを相手に世界選手権タイトルを争う韓国のメーカーは、チームの“ダブルエース”であるオット・タナクとティエリー・ヌービルとはすでに来季以降の複数年契約を結んでおり、残る1台のラリー1カーのステアリングを握るドライバーのみが未発表となっていた。

 そんななかソルドとともに今シーズン、3台目のヒュンダイi20クーペWRCをシェアしていたクレイグ・ブリーンが、ライバルチームのMスポーツ・フォードWRTに移籍することが6日に発表される。ヒュンダイによる2022年シーズンのドライバーラインアップのアナウンスはこの直後に行われ、ベテランのソルドと成長著しい若手のソルベルグが起用されることになった。

 2014年にヒュンダイチームに加わった経験豊富なソルドは、その初年度から陣営にとって不可欠な役割を果たし、同年の第9戦ドイツではワン・ツー・フィニッシュに貢献した。また、2019年と2020年のラリー・イタリア・サルディニア連覇をはじめとする彼の一貫したパフォーマンスは、ヒュンダイが2019年シーズンと翌年に達成したマニュファクチャラータイトル獲得に大きく作用した。

 そのソルドと3台目のマシンをシェアするのは、先月20歳になったばかりのオリバー・ソルベルグだ。

オリバー・ソルベルグがドライブするヒュンダイi20 Nラリー2

 元WRC王者ペター・ソルベルグの息子であるオリバーは、2020年シーズンの終わりに育成ドライバーとしてヒュンダイ・モータースポーツに加入。今シーズンは『ヒュンダイi20 R5』と、新型マシン『ヒュンダイi20 Nラリー2』というふたつのクルマでWRC2クラスを戦いつつ、最高峰カテゴリーにも出場を果たし10月14~17日に行われる第11戦スペインでは、アークティック・ラリー・フィンランドとサファリ・ラリー・ケニアに続く3度目のWRカードライブが予定されている。

 そんなソルベルグは、一部のイベントでソルドとラリー1のサードカーを共有し、チームがWRCの歴史に新たなチャプター(章)を刻む上で重要な役割を果たすことになる。

「これまでに何度も言ってきたように、ヒュンダイ・モータースポーツは僕にとって家族のようなものだ。だからWRCの新しいハイブリッド時代に向けて、キャリアを続けられることをうれしく思う」と語るのは、2021年シーズンも2位表彰台を含む3度の入賞を果たしているソルド。

「僕たちは長年一緒に働いており、いくつかの重要な瞬間を共有してきた。新たな挑戦に備えて、さらに多くのことを楽しみにしている」

「新しいレギュレーションに直面するときは一貫性を保つことが重要だが、オリバー(・ソルベルグ)のような新しい才能を持ったドライバーが、この新しい冒険に参加してくれることも幸運なことだ。わくわくしているよ」

 対してソルベルグも、「ダニ・ソルドと一緒に3台目のWRCカーにシェアして、一部のイベントに参加できるなんて夢のようだ! 本当に素晴らしいことだよ」と喜びを語った。

「また、僕には他のチームメイトであるティエリー(・ヌービル)とオット(・タナク)もいる。彼らは学ぶべき人たちであり、素晴らしい経験を積んでいる」

「僕はまだ20歳なので、キャリアの早い段階で大きなステップを踏むことになったが、自分がどのイベントに参加するのか、今から楽しみしているよ。ラリー1カーという新しい時代のクルマをドライブすることに興奮している。WRCに参加するのは間違いなく特別な時間だ」

Mスポーツに移籍したクレイグ・ブリーンのポストを引き継ぐことになったオリバー・ソルベルグ
ダニ・ソルド駆るヒュンダイi20クーペWRC

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