【欧州NL】〝裏切り者〟のドンナルンマにブーイングの嵐 イタリア無敗記録ストップの原因か

敗戦に肩を落とすドンナルンマ(ロイター)

欧州ネーションズリーグ準決勝(6日=日本時間7日)でスペインに1―2で敗れたイタリアは2018年9月から続けてきた無敗の世界記録が「37」でストップ。その敗因は守護神ジャンルイジ・ドンナルンマ(22=パリ・サンジェルマン)への激しいブーイングだった。

英紙「デーリー・メール」によると、試合が行われたイタリア・ミラノのサンシーロスタジアムはドンナルンマの古巣ACミランの本拠地。昨季限りで退団して以降、初めてミラノでプレーしたが、ボールに触れるたびにブーイングや指笛、野次が飛び交うなど、地元サポーターから猛バッシングを受けたという。

ドンナルンマはACミランの下部組織出身で16歳でトップチームデビューを果たした逸材。ただ、昨季に契約更新に向けた交渉で超高額年俸を要求し、ACミラン側は再契約を断念。結局、契約満了となり、移籍金なしでフランス1部パリ・サンジェルマンに加入した。ただ、下部組織出身ながらも後ろ足で砂をかけるような行動で退団したドンナルンマにミランサポーターは大激怒。かねて「裏切り者」とし「サンシーロに戻って来られると思うな。私たちは許さない」との声明を出すなど不穏なムードを漂わせていた。

そんな中、イタリアの一員としてミラノに〝凱旋〟。ミランサポーターはブーイングだけではなく、同国代表が宿泊するホテルの前で「誰も歓迎していない」などと書かれたバナーを掲出するなど、徹底的に守護神を攻撃した。これにはロベルト・マンチーニ監督も不満げで「彼は不満だっただろう。これは代表戦でクラブの試合ではない」とコメントした。

同紙は「ドンナルンマは嘲笑された。マンチーニもブーイングにイライラしていた」と報道。本来、有利に戦える母国での試合ながらファンの支持が得られずに敗れたことにチーム側は肩を落としていた。

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