矢方美紀、アピアランスケアの重要さ語る「悩みがウィッグを変えるだけでなくなった」

7日、元SKE48でタレントの矢方美紀がオンラインで行われた、「FWD富士生命 乳がん月間 オンライントークセッション」にゲストとして出席した。

2018年4月に矢方は、乳がんによる左乳房全摘出とリンパ節切除手術を公表し、同年4月には抗がん剤治療を続けながら、芸能界復帰をし、2019年にはエッセイ『きっと大丈夫。~私の乳がんダイアリー~』(講談社)を出版するなど、がんに関する啓発活動も続けている。

矢方が啓発活動をする大きなきっかけとなったのが、抗がん剤治療の副作用による、脱毛などアピアランス(外見・見た目)の悩みだった。最初は通常のウィッグを購入し、仕事を続けていたが「前髪がバーコードみたいになってしまった」と、なかなか品質のいいウィッグがなく困ったところ、人毛100%医療用ウィッグを展開するNPO法人の「ふくりび」と出会い、気持ちも前向きになったそうで「自分の悩みがウィッグを変えるだけでなくなった。日々の生活の他のことに集中できるようになった」と振り返った。

医療用ウィッグは、通常のものと品質が全然違うとのことで矢方は、ダンスを踊っても「全然大丈夫だった」と話す。また、髪の毛が長めのウィッグをつけていた際は「そっちの方がカワイイ」とも言われたそうで、「だから頑張って今は地毛を伸ばしていこうかなとなっています(笑)」とも明かした。さらに、「カットモデルにならない?」と街で声をかけられたこともあるそうで、それが自信にもなったとのこと。

現在も矢方はがん治療を続けており、「定期的に病院で薬をもらうのと、注射をおなかに打っています」と語った。治療を続けながらだが、10月9日スタートのアニメ『シキザクラ』(中京テレビ・日本テレビほか)にも声優として出演する。一度は挫折しかけた声優の仕事ができたことに矢方は「治療は続いていますが、自分が諦めない限り、目標に近づくことができます」と全国のがんサバイバーにエールを送った。

なお、今回のトークセッションでは、乳がん患者を対象に、矢方も使用したふくりび医療用ウィッグを20名に贈呈するプロジェクトも発表された。現在は医療技術の進歩により、がんに罹患したとしても生存率は格段に高くなっており、復帰した際に、抗がん剤治療などによる見た目の変化をケアする「アピアランスケア」の重要性も高くなっている。(斎藤雅道)

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