神奈川・横須賀市、eスポーツで活性化 市内高校に環境整備、ハイスペックPCやチェア無償貸与 

横須賀市から貸与されたハイスペックPCでeスポーツに取り組む湘南学院パソコン部の生徒ら=横須賀市佐原

 神奈川県横須賀市がeスポーツの普及に取り組んでいる。市内の高校にパソコン(PC)を無償貸与するなど環境整備も支援しており、16日には全国の高校生を対象にした大会も開催。将来性のある分野を通して、地域活性化につなげたい考えだ。

 ヘッドホンを装着した生徒らが、マイクで会話しながらPC画面上で銃撃ゲームに挑んでいる。eスポーツ用のハイスペックPCを操るのは湘南学院高(同市佐原)のパソコン部員。快適にプレーできるゲーミングチェアも含めて市から無料で貸与されたものだ。

 2年の千里久洋希さん(16)は情報処理技能検定などに取り組む傍ら、部員としてeスポーツ大会にも出場。「検定試験は一人で取り組むが、eスポーツは部員と一緒にやるのが楽しい」と笑顔を見せる。

 同部は、団体戦や他校との交流を通して視野を広げようと、3月からeスポーツを本格導入した。顧問の鰐川浩志教諭(58)がゲーム依存症予防などの研修を受け、部活動中のeスポーツの上限時間を1時間半に設定。検定で一定の資格を取得した部員が優先的にeスポーツ用PCを使用できるなどのルールを決めて取り組んでいる。

 「生徒たちはネットで情報収集するなど自主性が芽生えてきた。部活動で取り組むことで、ゲーム時間についても家庭と学校が一緒に指導できる」と鰐川教諭は効果を感じている。

 市は2019年12月に「eスポーツプロジェクト」を立ち上げ、賛同した民間企業4社とともに、eスポーツの普及を図っている。PCメーカーからゲーム用PCなど約40セットの寄付を受け、希望する市内の高校に無料で貸与。インターネット回線工事や指導プログラムの費用の一部なども市が補助し、市内の13高校のうち8校が部活でeスポーツに取り組み始めた。

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