和歌山県内NPOが初の総収入減 新型コロナ影響

和歌山県内NPO法人の総収益推移

 和歌山県内NPO法人の2020年度の総収入は約72億9千万円で、前年度を約3億円下回ったことが、わかやまNPOセンター(和歌山市)の調査で分かった。減収は調査を開始した11年度以降で初めて。新型コロナウイルスの影響で、会費、寄付、助成金、事業収益が前年度を下回った。

 センターは毎年夏に各団体の前年度の事業報告書を分析し、経済規模を調査している。総収益は11年度の約37億5千万円から年々増加。19年度は約75億9千万円で、調査開始当初の2倍以上に増えていた。

 20年度の総収入額は約72億9468万円(前年度比約2億9363万円減)。主な収入源である会費が約2300万円、寄付が4900万円、助成金が1億1300万円、事業収益は2億1400万円減少した。

 新型コロナの影響で、会員や支援者に会う機会が極端に減ったことが要因という。病気の元患者など感染リスクが高いとされる人が中心になっている団体は、活動自体がほとんどできないケースもあった。

 一方で、「その他」の収益は約1億600万円増加した。新型コロナ対策の「持続化給付金」やIT化に関する支援事業による給付金などがあったとみられる。

 対象377団体の収入平均値は約1950万円(57万円減)で、収入額を順番に並べ団体数のちょうど真ん中の順位に当たる団体の収入額を示す中央値は約167万円(35万円減)だった。

 収入規模が10万円に満たない団体が11団体増えて105団体になった一方、収入規模が1億円を超える団体は4団体増え、16団体になった。事業内容により、収入への影響が大きく異なるという。

 センターでは「今回の結果をさらに分析し、新型コロナがNPOの活動にどのような影響を及ぼしたのか探っていきたい」と話している。

 (注)わかやまNPOセンターによると、約8割の団体が4月~翌年3月を事業年度としているが、残りの団体は異なる。調査はいずれも各団体の最新事業年度の決算書を対象にしている。

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