朝鮮国内で絶滅危機種水鳥を保護 「東アジア―大洋州ルート」に位置

朝鮮では、絶滅危惧種の水鳥を保護するためのプロジェクトが進められている。先頃、そのための重点湿地保護地域が新たに確定された。

国家科学院生物多様性研究所は、過去10年間にわたり国内の50余りの湿地に対する調査と研究を行った。

その結果、ヘラサギ、タンチョウヅル、コウノトリ、ホウロクシギをはじめとする約20種の絶滅危惧種の分布地域と生息地類型、資源量、季節別分布特性を解明した。

絶滅危惧種のホウロクシギ(C)朝鮮新報

 研究所では、地理情報システム (GIS) 技術で絶滅危惧種の分布図を総合的に評価、国内における絶滅危惧種水鳥の集中分布地域を新たに確定した。

 これにより生態環境の変化に応じた国家的な保護対策を立てられるようになったという。

 今回確定した重点湿地保護地域は、「平安北道薪島郡―平安南道文徳郡沿岸」、「平安南道甑山郡―南浦市―黄海南道殷栗郡沿岸」、「黄海南道龍淵郡―白川郡沿」、「江原道通川郡―咸鏡南道咸興沿岸」、「羅先市豆満江河口一帯」の5カ所だ。

朝鮮は、地理的に北から南へ長い半島を成し、海岸線が長く、生態系が多様で、渡り鳥の主要移動ルートである「東アジア―大洋州ルート」で重要な役割を果たしている。

20余りの国・地域を含む「東アジア―大洋州ルート」に沿って、世界的な絶滅危惧種水鳥を含む250余種、5000万羽以上の水鳥が毎年移動、生息している。

 現在まで朝鮮国内で観察された絶滅危惧種の水鳥は、カラシラサギ、カンムリウミスズメなど26種にのぼる。

 

絶滅危惧種のホウロクシギ

© 株式会社朝鮮新報社