F2タイトル獲得でもF1シートが保証されないピアストリ「2023年のステップアップを視野に入れている」

 FIA-F2選手権のポイントリーダーであるオスカー・ピアストリは、2022年にF1に昇格する可能性は高くはないと認めた。しかし、2023年にレースシートを得るためなら、来年1年をリザーブドライバーの立場で過ごす覚悟はあると語っている。

 アルピーヌの育成ドライバーである20歳のピアストリは、2019年にはフォーミュラ・ルノー・ユーロカップ、2020年にはFIA-F3選手権でタイトルを獲得した後、今年FIA-F2選手権にステップアップ。2ラウンド6レースを残した現時点で、同じくアルピーヌ傘下である周冠宇に36ポイントの差をつけて選手権をリードしている。

 プレマ・レーシングで素晴らしい成績を挙げているピアストリだが、現時点では2022年にF1に昇格できる保証がない。デビューイヤーでF2チャンピオンになったとしても、来年はリザーブドライバーを務めるほかないかもしれないのだ。

2021年F2シルバーストン 周冠宇とオスカー・ピアストリ

 現時点で来季F1シートで空きがあるのはアルファロメオのみだが、同チームは、バルテリ・ボッタスのチームメイトに周冠宇を選ぶのではないかとうわさされている。

「一年間、控えの立場で過ごす可能性が高そうだ。決して理想的ではないけれど、そうなるのは僕が初めてではないし、最後でもないだろう」とピアストリは述べている。

「それでも、F1昇格を果たすために、今年のタイトルを獲らなければならない。これからまだまだたくさんのことが起こるだろう。でも僕たちはタイトルを目指していく」

「レーシングドライバーは当然レースが好きだから、それができないのは理想的な状況ではない。でも、来年を犠牲にすることが翌年のレースシートにつながるのであれば、喜んで一年犠牲にするよ」

2021年FIA-F2を戦うオスカー・ピアストリ

 2022年にアルピーヌF1か他のチームでリザーブドライバーに起用された場合、ピアストリは金曜FP1でF1マシンに乗る機会を得ることが保証されるだろう。来年の競技規則では、1年のなかで少なくとも2回、若手ドライバーをフリー走行で走らせることが義務付けられる見込みだ。

 ピアストリは、12月のジェッダとアブダビでF2シーズンを締めくくるまでの間に、自分の将来が明確になることを期待している。

「オーストラリアに帰るわけにはいかない。それは問題外だ」とピアストリは言う。彼のマネジメントは、同じオーストラリア出身の元F1ドライバー、マーク・ウエーバーが担当している。

「アルピーヌが僕に対して何か計画しているかどうか、様子を見るよ」
「そのうち分かるだろう。今は話し合う時間がたっぷりあるし、これから来年のプランを検討していくことになるだろう」

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