西武源田、ハム西川ら常連にオリの高卒ルーキーも台頭… パ二塁打ベース到達TOP5

日本ハム・西川遥輝(左)と西武・源田壮亮【写真:石川加奈子、荒川祐史】

オリックス来田涼斗は3位、7秒72で二塁へ到達

プロ野球選手は国内屈指のアスリートである。球場では速い球を投げる投手がいて、それを力強く打ち返す打者がいる。それぞれ「力=パワー」を感じさせるイメージが強いが、「スピード」でファンを驚かせる選手もいる。今回は、スピードの魅力を知ることができる二塁打に着目し、打ってから二塁ベースに到達するタイムのランキングが登場。ペナントレースが再開された8月13日から9月12日までのパ・リーグトップ5を紹介する。

5位はプロ10年目の楽天・岡島豪郎外野手で、ランクインした二塁打の二塁到達タイムは7秒77。日本ハム・上沢直之投手のストレートをライト線へ打ち返した時のものだが、目一杯振り切ったためスタートは少し遅れた。ところが、右翼手がフェンス近くで捕球している頃には既に二塁へ向かっており、さらに加速して二塁へ。このスピードこそが、岡島の魅力と言っていいだろう。

7秒75のタイムで4位に入った楽天・茂木栄五郎内野手の一打もほぼフルスイングしていたため走塁の出足はあまり良くはなかった。しかし、右翼のロッテ・マーティンが打球に追いつく間に一気に二塁へ向かった。強肩で知られるマーティンを警戒して一塁でストップするのが一般的な選手の判断だろうが、茂木は捕球位置や体勢から正確に二塁ベースには戻ってこないと読んで、躊躇せずに二塁に向かったものと思われる。元々、足は速いが、そうした判断力があるからこそ迷いなく走り切ることができて、好タイムにつながったとみている。

3位はオリックスのドラフト3位ルーキー、来田涼斗外野手。明石商2年時の2019年選抜高校野球大会では1試合に先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を記録して一躍注目をあびた華のある「柳田悠岐タイプ」の外野手である。期待はしていたが、1年目から1軍に昇格し、7秒72というタイムで3位に入賞するとは思わなかった。しかも、この時の走塁はスライディングすることなく二塁にたどり着いたスタンディングダブル。スライディングをして二塁に到達したときはどのくらいのタイムを記録するのだろうか?

1位は西武・源田の7秒50、“番外編”の森友哉は10秒71…

7秒71で2位になった日本ハム・西川遥輝外野手の走塁もすごい。トップスピードに乗るまでが速い。三塁線を抜くゴロは、一塁を回った時点で既に左翼のオリックス・吉田正尚外野手がほぼ追いついていた。にもかかわらず二塁へ向かう判断をしてギアを上げ、二塁に到達。加速の素晴らしさ、身体能力の高さがこの走塁から見てとれる。

恒例の番外編は、計測中もっとも遅いタイムを記録した西武・森友哉捕手で10秒71。打球が切れて「ホームランになるか? ファウルになるか?」しか考えていなかったようである。それが、ファウルにならず、外野フェンスの上端付近で跳ねてフェアになったので、慌ててて二塁へ駆け込み、2桁のタイムになってしまった。森は決して鈍足ではない。まともに走っていれば8秒台程度で走れるだろう。

栄えあるランキング1位は西武・源田壮亮内野手の7秒50。右中間へのライナー性の打球を右翼手が回り込んで捕球する隙を見逃さず、ほとんど減速することなく一気に二塁へスライディング。途中からはやや余裕すら感じられる走りで7秒50を出してしまった。このタイムに至ったのは、打ってから減速することなく走りきったことが一番の要因だろう。

今回はランキングにソフトバンクとロッテの選手が入っていなかった。1か月間限定の計測なので、選手の名前が変わってくるのはやむを得ないことだろう。ソフトバンクには離脱中の周東佑京内野手や牧原大成内野手、ロッテには荻野貴司外野手や和田康士朗外野手といった足だけでもメシが食える選手もいる。次に機会があるときにはどんな選手が登場するだろうか?

【動画】圧倒的なスピードで二塁へ到達 ベース到達TOP5と番外編

圧倒的なスピードで二塁へ到達 ベース到達TOP5と番外編【動画:パーソル パリーグTV】 signature

(「パ・リーグ インサイト」キビタキビオ)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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