【NLDS展望】強力打線と強力投手陣の対決と合計213勝の「頂上決戦」

一足早く開幕したア・リーグに続き、ナ・リーグのディビジョン・シリーズ(地区シリーズ)も日本時間10月9日にスタートする。東部地区4連覇を達成したブレーブスは強力投手陣を擁する中部地区王者のブリュワーズと対戦。一方、今季メジャー最多となる球団新記録の107勝をマークした西部地区王者のジャイアンツはワイルドカード・ゲームでカージナルスを相手に劇的なサヨナラ勝ちを収めたドジャースを迎え撃つ。ドジャースも球団タイ記録の106勝を記録しており、今季のメジャーリーグにおける「頂上決戦」と言えそうだ。

ブレーブスの最大の武器はリーグ3位の790得点、同2位の239本塁打をマークした強力打線だ。史上2組目の「内野25本塁打カルテット」を形成した内野陣はもちろん、ロナルド・アクーニャJr.の故障離脱の穴を埋めるために積極補強を施した外野陣にも強打者がズラリ。途中加入のアダム・デュバルはシーズン通算113打点で初の打点王に輝いた。投手陣もリーグ4位の防御率3.88を記録しており、決して「打高投低」のチームではない。

ブリュワーズは今年のオールスター・ゲームに選出されたブランドン・ウッドラフ、コービン・バーンズ、フレディ・ペラルタの先発三本柱が最大の武器。壁を殴って骨折したセットアッパーのデビン・ウィリアムスの不在は痛手だが、絶対的クローザーのジョシュ・ヘイダーが控えている。打線はリーグ6位の738得点を記録したものの、打率.233は同14位、OPS.713は同11位と迫力不足。「打」のブレーブスと「投」のブリュワーズという構図となる。

もう1つのカード、ジャイアンツ対ドジャースは「伝統のライバルのポストシーズン初対決」というだけでなく、今季のメジャーリーグにおける「頂上決戦」として注目を集めている。ポストシーズンで対戦する2チームの合計213勝はもちろん史上最多。105勝以上をマークした2チームが対戦するのも初めてのことである。レギュラーシーズンの直接対決はジャイアンツが10勝、ドジャースは9勝。この1勝の差が1ゲーム差で決着した西部地区の優勝争いで明暗を分けることになった。

昨季王者のドジャースが1998~2000年のヤンキース以来となるワールドシリーズ連覇を成し遂げるためには、今季メジャー最高勝率のジャイアンツという強敵を打ち破らなければならない。レギュラーシーズン同様にジャイアンツが勝ち越すのか、あるいはドジャースが地区9連覇を阻止された雪辱を果たすのか。この「頂上決戦」は地区シリーズの4カードのなかで最大の注目を集めることになるだろう。

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