カオスな衆院選! 山本太郎、籠池諄子、元ミス日本の出馬に「怒り」「驚き」「やっかみ」

8日に出馬表明した山本氏と籠池氏(東スポWeb)

次期衆院選(19日公示、31日投開票予定)まで2週間を切り、いまや恒例の〝候補者駆け込みラッシュ〟が始まった。野党共闘のハズが野党間で亀裂が走りかねない状況になった、れいわ新選組の山本太郎代表(46)の選挙区発表、「夫婦漫才でもするのか!」とツッコミが走った籠池諄子氏(64)の電撃出馬、さらに元ミス日本の政界サラブレッド擁立…と、永田町に衝撃が走った3つのドタバタ劇の裏側を追った。

れいわの山本代表は8日、JR新宿駅前の街頭演説会で衆院選東京8区からの立候補を発表した。自民党の石原伸晃元幹事長の地盤で、山本氏が2012年に初出馬した際に敗れた因縁の地だ。山本氏は「首を取らせてもらいたい」と石原狩りを宣言した。

ただ今回は野党共闘を表明し、8区ではすでに立憲民主党、共産党、れいわも別の候補者を擁立していた。特に立民の吉田晴美氏(49)は前回の衆院選でも同区から立候補し、落選するも石原氏を苦しめた。

山本氏は事前に野党間で調整し、野党統一候補になったとしたが、支持者は「吉田さんで勝てるのになぜ下ろすのか」「吉田さんは4年間、地道に活動してきたのに山本氏が最後に出てきて、おいしいとこ取り」と非難ごうごうだ。街頭演説でも、納得のいかない吉田氏の支持者から厳しい声が相次いだ。

山本氏は「悔しい思いをさせてしまったことはおわびしかない。だけど調整、こちらも下ろすところが出てくる。これが野党共闘。獲得目標に向け、鼻をつまんで、どうかお力を貸してくれませんか」と訴えた。

山本氏が選挙前のギリギリに後出しジャンケンともいえる選挙区発表はこれまで、注目を集めさせる切り札だったが、今回は「遅すぎる」と反感を買ってしまった。野党共闘で〝打倒与党〟のハズが野党の支持者に向け、説明行脚に追われることになってしまった。

大阪では、学校法人「森友学園」前理事長の籠池泰典氏が急きょ出馬会見を開催。「泰典氏、もしくは娘の町浪氏が出馬か」との予想もあったが開けてビックリ、立候補したのは諄子氏だった。諄子氏は生まれ育った大阪・塚本の地が含まれる大阪5区から無所属で立候補する。

諄子氏は「私が出ると聞いて拍子抜けしたでしょ?」と笑いながら「私のようなオバチャンでも選挙で答えを出せたら。出る限りは勝ちたい。勝ちがい、負けがいのある選挙をしたい」と意気込んだ。

公約には司法改革や拉致問題の進展を掲げたが、最も強調したのは、もちろん森友問題の再調査だ。

「私は安倍(晋三)元総理を利用し続けた悪い人間と言われ続けてきた。でも、言ってきたのは昭恵さんの方から。権力者が一市民をこれほどまでにイジメるのを許してはいけない。安倍元総理は責任を取って(政治家を)辞めるべきです」

また〝元ミス日本〟も滑り込みで議員バッジにリーチをかけた。自民党は比例東京ブロックで、旧維新の党で代表を務めた松野頼久元衆院議員の次女・松野未佳氏(26)を擁立する方針を固めた。

松野氏の祖父・頼三氏は自民党の総務会長を務めた大物で、未佳氏も慶応大在学中にミス日本に輝いた才女。当時から政治家志望で、首相だった安倍晋三氏と面会した際は「将来は自民党から」とお手付きだった。

昨年9月、未佳氏は党本部に小泉純一郎元首相と現れ、当時幹事長だった二階俊博氏とも面会。小泉氏は「女性活躍だから、若い女性を応援して」と衆院選出馬をプッシュしていた。

「公示前のドタバタの時にねじこまれるでしょう。杉村太蔵氏が比例名簿入りした時と同じです」(党関係者)

すでにこの時点で比例ブロックでの擁立が内定したとされていたが、あまりのえこひいきに党内からは「まだ若すぎる。党本部でちょっと働いていただけで、もっと現場で汗をかいてからでいいのに」「何もしなくても東京比例ブロックなら当選するでしょう」と嫉妬の声が漏れている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社