【衆院選2021】神奈川小選挙区への駆け込み出馬巡り、各政党が神経戦 構図一転、「風」にも警戒

 岸田文雄首相が表明した衆院選の日程(19日公示、31日投開票)が迫り、各党が神奈川県内小選挙区への“駆け込み出馬”に神経をとがらせている。選挙区の構図が変わるだけでなく、公示直前の出馬表明でも「風」の行方次第で当選を果たすケースもあるからだ。一方、これまで候補予定者を擁立していなかった党は、動きを活発化させている。

 「時間は少ないかもしれないが、その中で最大限の訴えをしたい」

 8日午前、神奈川10区(川崎市川崎・幸区、中原区の一部)から出馬を決めた国民民主党新人の鈴木敦氏は川崎市役所で会見し、こう力を込めた。擁立が発表されたのは前日の7日で、県内小選挙区での国民の候補擁立は初めてとなる。

 10区はこれまで、自民党現職で前回小選挙区を制した元復興相の田中和徳氏と共産党現職の畑野君枝氏、日本維新の会新人の金村龍那氏の3人が出馬を準備していた。

 立憲民主党は畑野氏に配慮して候補者擁立を控え、県内での「野党共闘」の象徴区だったが、国民の擁立で政権批判票の分散が予想される事態になった。このため、共産の関係者は「こんな時期に嫌がらせだ」と怒りを募らせる。

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