衆院選 日程前倒し イベント延期、投票所変更… 対応に追われる関係者

 衆院選の投開票日が、当初想定されていた11月上中旬から今月31日に前倒しされた。長崎県内各地の投票所となる学校では運動会などのイベントが予定されており、関係者はイベントの延期や投票所の変更など対応に追われている。
 「保護者の皆さんに見てもらいたいので、運動会は1週間後の日曜に延期しました」。西彼長与町立長与南小の鳥山勝美校長は31日の日曜に予定していた運動会の延期理由をこう話す。同校の投票場所は児童玄関で、有権者と動線を分けるのが難しい。また運動会が保護者の投票行動に影響することも心配したという。前日の土曜や翌日の月曜に変更する案もあったが、もともと日曜に予定していたので、PTAと相談して11月7日への延期を決めた。
 長崎市立愛宕小は体育館が投票所となるが、運動会は投票日に開催する。もともと5月だった運動会を新型コロナウイルス感染拡大で11月7日に延期。その後「7日または14日投開票」との報道が流れたため、今月31日に前倒ししていた。「ちょっと予想できなかったが、仕方がない」と中村秀一郎校長。ただ昨年から午前中のみの開催とし、体育館は昼食場所として開放しないため、影響は少ない。有権者と児童・保護者の動線を分けて密にならないよう努めるという。
 一方、やむなく投票所設置を断った学校もある。県立佐世保中央高は毎回、体育館を提供してきたが、31日は文化祭を開催。▽教員や通信制の生徒が車で来るため、有権者の駐車スペースを確保できない▽当日登校する生徒約400人と動線を分けることが困難-として断らざるを得なかった。市選管は急きょ代替場所として近くの市立清水小を確保。有権者には投票所の変更を文書で知らせる予定だ。
 五島市立福江小の体育館では小学生のスポーツ大会が予定されていたが、大会場所を変更した。
 開票所確保にも影響が出ている。大村市選管はシーハットおおむらを午後5時以降は押さえたが、日中に別のイベントが入っている。担当者は「ほかに開票所として使える場所がない。設営作業もあるので、もう少し早めにイベントを終われないか、調整してもらっている。短期間の準備になるがミスがないよう努めたい」と話している。

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