「核廃絶へ活動続ける」 高校生平和大使 ノーベル賞ならずも前進へ意欲

ノーベル平和賞の発表の様子をインターネット中継で見守る高校生ら=長崎市筑後町、ホテルセントヒル長崎

 4年連続でノーベル平和賞候補に挙がっていた「高校生平和大使」は、今年も受賞はならなかった。8日、長崎市内で発表のインターネット中継を見守った高校生らは、「核兵器廃絶に向けて活動を続ける」と前を見据えた。
 高校生平和大使は1998年に被爆地長崎で発足。核兵器廃絶を求める署名を国連機関へ提出しており、届けた署名は累計約200万筆に上る。新型コロナウイルスの影響で昨年から渡欧を見合わせている。市内での署名活動は8月から延期しているが、今月10日に再開する予定。
 8日は平和大使や支援者ら約30人が集まり、緊張した面持ちで発表を見守った。吉報は届かなかったが、第24代高校生平和大使で県立長崎西高2年の林田望愛さん(16)は「活動は賞をもらうためではない。世界中の人に活動を知ってもらうきっかけにし、少しでも多くの署名を集めていきたい」。支援者の山川剛さん(85)は「残念という気持ちはなく、年々受賞に近づいている。コロナ禍でも、高校生らしいアイデアで活動をつないでほしい」と期待した。
 平和大使は今年、国会議員53人の推薦を受け、平和賞候補に挙がっていた。

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