25年世界陸上の招致成功なら国立競技場は〝陸上の聖地〟に?

国立競技場(東スポWeb)

2025年世界陸上の招致合戦が、国立競技場の今後を左右するかもしれない。

東京五輪の陸上競技が行われた国立競技場は球技専用に改修する方針だったものの、陸上トラックは残ることになった。ただサブトラックは撤去される方向で調整が進んでおり、関係者からは「サブトラックがなくなるのは残念」との声が聞かれていた。

そんな中、日本陸上競技連盟が1日までに世界陸上の日本招致を世界陸連(WA)へ申請。昨年10月には、WAのセバスチャン・コー会長が萩生田光一文部科学相(当時)に東京開催を提案。萩生田氏は9月の会見で世界陸上を開催する可能性を示唆した。

国立競技場では世界記録の約7割を生み出したモンド社(イタリア)のトラックを採用。選手からは「タータン(ゴム製の舗装)が非常に硬くて反発をもらいやすい」など高評価が相次いでおり、実際に五輪・パラリンピックでは数々の世界記録が誕生した。

そのため、モンド社の製品を日本で代理販売するクリヤマの関係者は「五輪は無観客だったので、満員の観客の中で世界大会をやってほしいと純粋に思う。選手のことを考えてもそうだが、世界大会を国立で観客のみなさんに見てほしいし(高速トラックで)選手のモチベーションが上がってくれたらうれしい」と世界陸上の招致に大きな期待を寄せる。

世界陸上を開催するとなれば、サブトラックの維持は必要不可欠。今後も陸上の大会を実施する上では大きなプラスとなるが、果たして〝陸上の聖地〟に生まれ変わることはできるだろうか。

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