濃厚な肝は「海のフォアグラ」。エサ取り名人のカワハギ。専用の針と竿で攻略するのがオススメ。釣りたては肝じょうゆで。「なんつぁーならん」おいしさです

釣ったばかりのカワハギ=10月上旬、大分県の別府湾

〈あゆLOVEフィッシング-上園あゆみ〉

 皆さんに朗報です。いよいよカワハギのおいしい季節がやって来ました! カワハギといえば、引き締まったフグのような身はもちろんですが、その要はやっぱり肝。カワハギの肝は「海のフォアグラ」とも称されるほど、濃厚でうま味の強い味わいがあり、通にはたまらない逸品です。肝はこれから冬場にかけて大きくなり、脂が乗って1年で最もおいしい季節になります。

 ただ、人気の一方でカワハギは高価で貴重なため、なかなか一般の食卓には並ばないという現実もあります。そこで、今回は釣って食べましょう。旬のカワハギの釣り方についてご紹介します。

 カワハギは船からでも岸からでも釣ることができます。基本的には砂地のエリアに生息していて、小さなエビや貝類を食べています。実は鹿児島では、湾内はもちろん、本土全域で釣ることができます。

 仕掛けは胴付きのサビキ仕掛け。釣具屋さんに行くと出来合いの仕掛けが売っています。一番下に重りを付けたら完成です。特徴的なのは針の形。カワハギは「エサ取り名人」と呼ばれるほど、エサを巧みに盗みとる器用な魚。小さなおちょぼ口でエサを吸い込み、小さな胸びれでホバリングしながら仕掛けの上下に合わせて泳ぐという技を持ち合わせています。

 当たりはないのにエサがない場合、そこにはカワハギがいる可能性が高いです。そこで、カワハギを釣るときにはハゲ針というカワハギ専用の針か丸せいご針を使います。この針を使うことで名人の巧みな技を攻略して、小さな口にしっかりと針をフッキングさせて釣り上げることが可能になります。とはいえ、カワハギ釣りは穂先に伝わる小さな当たりを確実にとり、竿(さお)を使って合わせをいれなければなりませんので、専用の釣竿を使うことをおすすめします。

 エサはアサリのむき身か、オキアミのボイル。針に形よく丸くつけるのが重要で、垂れ下がったり中途半端な付け方をするとすぐにエサをとられてしまいます。カワハギはまとまって生息していることが多いので、1匹釣れたらそこで数匹釣れるまで粘るのが重要です。釣れたてのカワハギのお刺し身を肝じょうゆで食べる。なんつぁーならんおいしさです。ぜひご賞味あれ。

カワハギ釣りに使う丸せいご針(右)、ハゲ針(左)
カワハギを手にする上園さん=10月上旬、別府湾(大分県)

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