アール・ブリュット×蔵元 ぼくらのShuShuShu 完成したラベル届ける 作家ら6人、千代の光酒造を訪問

 障害者の表現活動「ぼくらのアール・ブリュット」の作家として活動する馬場悠斗さん(21)と石黒怜子さん(31)が9日、妙高市窪松原の千代の光酒造を訪れ、2人の作品を用いた酒瓶用ラベルを届けた。

馬場さん(中央)と石黒さん(左)が池田常務取締役へラベルを届けた

 同活動の作家と上越地域の酒造関係者らは本年度、初のコラボ企画「ぼくらのShuShuShu」に取り組んでいる。作家12人と8蔵元をマッチングし、作品をラベルにあしらったお酒を製造。28日から協力する小売店で販売し、多様性ある地域、新たな価値の創造を目指す。

 同日は千代の光酒造とコラボする作家2人と家族ら合わせて6人が訪れ、完成した計168本分のラベルを届けた。受け取った池田剣一郎常務取締役(38)は「私たちでは思い付かない発想のラベルで、とても目を引く。来年以降も結び付きを深め、コラボ企画でお客さんに喜んでもらえたら」と意気込んだ。

2人の作品が貼られた酒瓶。右が馬場さん、左が石黒さん

 馬場さんの作品は数字を独特なタッチでカラフルに描いたもの。母の友絵さんは「幼い頃から数字に強い興味を示している。お酒を通じて作家の世界観を知ってもらい、他の障害がある人へも、表現活動という可能性を示したい」と話した。

 石黒さんはテレビなどで気になったシーンを作品として表現している。母の弘美さんは「ラベルとなるのは月に腰掛けた人の姿。本人の『空を飛びたい』という思いが表れている。お酒を手に取り、見てほっこりしてほしい」と話した。

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