平成生まれが感じたBOØWY、アルバム「INSTANT LOVE」に詰まった試行錯誤  BOØWY 結成40周年!

アンチエイジ徳泉が掲げる3大“B”バンドの一角、BOØWY

80年代の後半に活躍したロックバンドは元々好きで、いつも昭和歌謡を勉強している僕と同じ平成生まれの子達に教えていることがあり、それは僕の中での80年代の後半に活躍した3大 “B” バンドを掲げている。―― THE BULE HEARTS、BARBEE BOYS、そしてBOØWY。

ご存じの通り、三者三様、同じロックでも方向性も事務所もレコード会社も違うが、活動期間は断然BOØWYが一番短い。

それ故に、このバンドは伝説化されてきて今日までBOØWYを知らない世代にも認知されている。

でも我々のような平成生まれからすれば、ごく一般的に有名な「Marionnette」「B・BLUE」「ONLY YOU」と言った全盛期の東芝EMIに移籍してからのシングルは知っていても、その前の別のレコード会社から発売された2枚のオリジナルアルバムを制作された時代を知っている平成生まれは割と少ない。

ビクターからファーストアルバム『MORAL』、徳間ジャパンからセカンド『INSTANT LOVE』。このアルバム2作を聴いた上で、全盛期のBOØWYを改めて聴くと、このBOØWYサウンドの良さや、ここまで形成されていく過程が感じられるのではないだろうか? と思い、その中でも、今回はセカンドアルバム『INSTANT LOVE』の収録曲を改めて聴いて、平成生まれの解釈でレビューしてみたいと思います。

1. INSTANT LOVE

このアルバムの表題曲。疾走感があるのに、歌詞の恋愛模様が寂しげさも感じさせるとてもカッコいい曲である。サビ前の「LAST VOICE」は氷室京介の発声では「LAST VOICY」と聴こえるのも僕的にはしびれた。

イントロにはスクラッチのような音や間奏には不思議なピコピコ音と試行錯誤のアレンジにも聴こえた。

2. MY HONEY

心地よいリズム感。さすが氷室の世界と言っていい歌詞である。思春期の真っ只中にもとられる、純粋で無邪気な歌詞。ラストの演奏も壮大感でて平和を感じる1曲。

3. OH! MY JULLY Part Ⅱ

全盛期のBOØWYしか聴いたことない人からしたら、驚きのテイストの曲に思えるが、レゲエチックなリズムをドラムとベースのみで構成された異色作。

しかし、なぜにここでPart Ⅱ? 意図がわからないが、後ほどのPart Ⅰからの繋がりで考えると、この男女は別れてしまったんだなとわかるが、でもこの男の未練さと女々しさを感じる作品である。

4. FUNNY-BOY

この曲が各メンバーのカッコ良さが一番引き出されてて、全盛期のBOØWYに通じる曲のようにも思える。布袋寅泰のギターのカッティングが光って聴こえた。

5. OH! MY JULLY Part Ⅰ

あえてここでのPart1とは一体なぜ? と疑問には残るが。この曲は色々と考えさせられた! 歌詞の捉え方からして、本気の恋愛だったのか? それともカラダだけの関係だったのか? どっちにでも当てはまる気がするんです! どっちにも当てはまるのなら、また戻って「OH!MY JULLY Part Ⅱ」を聴くとまた展開が変わってきて面白い曲になる!

6. TEENAGE EMOTION

前作のアルバム『MORAL』からの流れを汲みながらも非常に攻めた歌詞の内容。いかにもツッパっているのが曲全体に表れている。氷室京介独特のしゃくりもサビでは連発してるので聴き応えがあります。

7. LONDON GAME

「TEENAGE EMOTION」から演奏がメドレーのように引き継がれてるのが遊び心のように感じた曲。

この曲はどうやら英国ロックのことを歌ってるようだが、今回のこのアルバムの意図としては一番遠いのかな… と感じた。

8. SYMPHONIC

トラック順としても、盛り上がりにちょうど良いところで締まりのメロディアスな曲が来たなと思った。

AメロとBメロは歌詞も良く、メロディも波撃つような流れる歌い方で非常に良いが、サビの「バイバイババイバイ」とはなんぞや? と疑問となった。

9. THIS MOMENT

この曲は、非常に演奏もリズムも面白く作られていると思った。どことなく古来の音楽のような、民族音楽を聴いてるような雰囲気にかられ、俗に音楽用語でいう5音音階だけで構成されたペンタトニック奏法にも感じ、BOØWYには珍しい癒し音楽である。

アレンジ、歌詞、試行錯誤を重ねたBOØWYの音楽

このセカンドアルバム『INSTANT LOVE』を、今回改めて平成生まれの目線として書いてみましたが、こんなにもこのアルバムに様々なレゲエやペンタトニックのようなアレンジを施したり、恋愛を描いた歌詞を多くしたりと試行錯誤していたんだなと改めて思い知りました。

他のアーティストでも、1枚に様々な音楽様式を取り入れたコンセプトのオリジナルアルバムはたくさんあるとは思いますが、この『INSTANT LOVE』を初めて聴いた時に「BOØWYもこんなアルバムやってたんだ!」と衝撃を感じました!

なのでぜひ平成生まれのBOØWYを勉強したい皆様、ぜひ一度聴いてみてください。特に「OH!MY JULLY Part 1」からの「OH!MY JULLY Part Ⅱ」がオススメです!

カタリベ: アンチエイジ徳泉

あなたのためのオススメ記事平成生まれが感じたBOØWY、アルバム「MORAL」の身近でフレッシュな魅力

▶ BOØWYの記事一覧はこちら!

80年代の音楽エンターテインメントにまつわるオリジナルコラムを毎日配信! 誰もが無料で参加できるウェブサイト ▶Re:minder はこちらです!

© Reminder LLC