箱根町立郷土資料館(神奈川県箱根町湯本)は、実業家の渋沢栄一と同町の関わりを紹介する展示を開催している。渋沢が同町で事業を始めてから昨年で140周年を迎えたことや、2024年の紙幣刷新で新1万円札の顔に選ばれていることなどから企画した。
2日から開かれている「箱根を拓(ひら)く 渋沢栄一と箱根」では、同館や町役場で収蔵する資料のほか、日米親善を図ろうと米国から渋沢を通じて全国の小学校に贈られた「青い目の人形」(箱根の森小学校収蔵)などを展示している。
同館の鈴木康弘館長によると、渋沢は1880年、同町仙石原に牛馬を導入した西欧式大牧場を開き、避暑地として訪れた外国人観光客向けに牛乳やバターの販売を行った。1905年に牧畜業を廃業後、広大な敷地を生かして観光誘致を図ろうと、温泉の造成、供給事業に着手。現在の箱根温泉供給の設立などに従事した。
鈴木館長は「地元住民も知る機会のない、渋沢の業績の数々を展示している。多くの人にご覧いただけたら」と話している。展示は11月28日まで。
問い合わせは、同町教育委員会生涯学習課電話0460(85)7601。