ナショナルズの天才打者・ソト 史上初の4億ドルプレーヤーに?

今年7月のトレード・デッドラインでマックス・シャーザー、トレイ・ターナー、カイル・シュワーバーなど主力選手の大半を放出したナショナルズだが、まだチームには弱冠22歳にして球界トップクラスの強打者へと成長したフアン・ソトが残っている。ソトがFAとなるのは2024年シーズン終了後であり、ナショナルズは少なくともあと3年、ソトを保有することができるが、FAとなる前に契約延長に動く可能性はあるのだろうか。移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ」ではソトとの契約延長について分析している。

ソトは今年8月の時点で「1年ごとにやりたい」と長期契約に消極的な姿勢を示していた。今季がメジャー4年目のシーズンだが、昨オフの時点で「スーパー2」として年俸調停権を取得しており、今季の年俸は850万ドル。FAになるまでの残り3年で、この年俸は右肩上がりで上昇していくことになるだろう。過去の例を見ると、ムーキー・ベッツ(ドジャース)やフランシスコ・リンドーア(メッツ)はFAまで残り1年となった時点で長期契約に合意しており、ソトも彼らと同様に早期の長期契約には応じないかもしれない。

「MLBトレード・ルーマーズ」がソトの比較対象として挙げているのは、ベッツとフェルナンド・タティスJr.(パドレス)の2人だ。ベッツはFAまで残り1年となった時点で12年3億6500万ドルで契約延長。39歳までの契約となり、年平均は3000万ドルを超えている。一方、タティスJr.の14年契約には、ベッツとは異なり、年俸調停権取得前の期間や年俸調停期間も含まれているため、総額は3億4000万ドル。35歳までの契約となり、年平均は2400万ドル強である。

もしソトが今オフにタティスJr.と同じ14年契約を結んだ場合、36歳までの契約となり、決して非現実的な話ではない。「MLBトレード・ルーマーズ」は「14年間の平均が2860万ドルであれば、史上初の4億ドル契約となる」と伝えている。ただし、同サイトはナショナルズがスティーブン・ストラスバーグ、パトリック・コービンとの大型契約を残していることを指摘。ソトと大型契約を結ぶことになれば、2024年にはソト、ストラスバーグ、コービンの3人だけで年俸が1億ドルを超えてしまうような状態になる。

さらに、コービンは2024年限りで契約が終了するが、ストラスバーグは2026年まで契約が残っており、ソトと大型契約を結んだ場合、2025年と2026年はソトとストラスバーグの2人だけで年俸が7000万ドルを超える。ナショナルズがこの歪な年俸構成を良しとするのであれば、「MLBトレード・ルーマーズ」が分析するように、史上初の4億ドルプレーヤーが誕生することになるだろう。

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