閉校跡に食堂オープン 「地産地消」弁当など好評

地元産の食材をふんだんに使ったランチを持つ「さごんキッチン」調理担当の主婦ら=対馬市上県町

 長崎県対馬市上県町佐護北里の交流拠点施設「ふるさとづくり『佐護笑楽校』」に6月にオープンした食堂「さごんキッチン」は、地元産の野菜や魚介類などを使ったランチや弁当を提供。訪れた客たちから好評だ。
 同施設は2013年に閉校した旧市立佐護小の跡地に今年4月末完成。地元の非営利型株式会社「対馬地球大学」が運営している。飲食店が少ない地域の活性化につなげようと、2階音楽室に食堂を整備した。金土日の週3回、地元の主婦らが手作りしている。
 おまかせランチが1100円。弁当500円。地産地消を掲げ、できるだけ上県町産の食材を使用しており、日替わりでバラエティーに富んだ献立が楽しめる。
 今月2日のランチメニューは、アジフライやサバのみそ煮、だんご汁など。友人と訪れたパート従業員の50代女性は「廃校とは思えないほどきれいで、雰囲気が落ち着いている。地元の食材ばかりでおいしかった」と喜んでいた。
 「さごんキッチン」の調理スタッフには、閉校まで旧佐護小で給食を作っていた主婦(63)も。顔なじみの卒業生が訪れ、食事を楽しんでいる姿を見るのがうれしいという。「この場所で料理ができるのは格別なこと。田舎ならではのほっとする料理を作りたい」
 カフェメニューもあり、オーガニックコーヒーや近くの「つしま大石農園」産の紅茶なども提供。対馬地球大学社員で食堂のコーディネーター、椎野佑梨さん(30)は「小さい子どもからおじいさんおばあさんまで、幅広く来てもらっている。食を通して佐護の魅力を発信できる場所にしたい」と意気込む。
 営業時間は金土日の午前11時半~午後2時(カフェは午後5時まで)。ランチ、弁当は事前予約が必要。問い合わせは電0920.84.5024。対馬地球大学の公式ラインアカウントからも予約できる。

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