【ドラフト会議】男前サウスポー西武1位・隅田 契約金で妹の学費工面「自分が出せば親に負担かからない」

心意気も「男前」の西武1位・隅田(東スポWeb)

ドラフト会議で4球団競合の末に西武が単独交渉権を獲得した西日本工業大・隅田知一郎投手(22)は、早くもライオンズブルーのユニホームに袖を通すイメージで喜びを語った。「事前に公表していただき(担当スカウトから)満場一致という評価をいただいていたので、うれしかったです」と、西武の一途な思いを受け止めた。

即戦力左腕は西武の補強ポイントに最も合致する人材。大学ナンバーワン投手は「即戦力として、打撃力のある打者の方を信じて投げたいです」と語り、目標については「新人王を狙いたい。日の丸を背負う投手になりたい」と力強かった。

西武が競合した4球団の中で唯一、事前公表をしてまでラブコールを送った左腕。野球の神様が縁をつないだ。「担当の岳野スカウトも『縁があれば』と言っていただいて『僕は隅田君を1位で獲りたい』とプレゼンとかもしていただいた。縁があってのこの結果。期待を背負うけど、それをいい方向に向けていきたい」。思う存分、腕を振る覚悟を決めている。

端正な顔立ちもスター性を感じさせるが、その男気も器の大きさを感じさせる。波佐見高時代から7年間を共にしてきた同大野球部の村川大介内野手(21)はこんな話を打ち明けてくれた。「隅田はすごく家族思い。自分がプロ入りしたら妹の大学進学の費用を契約金で工面したいと言っていました」。

現在、高校3年生の妹・葵さんは来春進学先に西日本工業大を候補の一つとしており、入学の際は野球部マネジャーを志望しているという。

「自分が出せば親に負担もかからない。親は何も欲しいものがないと言ったので。家族のために何かしたかった」。そう笑ってプロになった実感をかみ締めた隅田。西武に、男前サウスポーが誕生した。

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