環境団体「気候危機を受け止め、削減目標の引き上げを」

脱炭素で持続可能な社会をつくっていくことを目指すNPO法人「気候ネットワーク」の浅岡美恵代表は10月6日、気候科学の先駆者・真鍋淑郎氏らにノーベル物理学賞が授与されたことを受け、「気候危機の警鐘を受け止め、削減目標を引き上げ、行動変容を」というメッセージを発信した。

真鍋氏らは二酸化炭素濃度の上昇が地球温暖化に影響するという予測モデルを世界に先駆けて発表した。この気候変動予測研究を根底として、1990年の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1次評価報告書で地球温暖化予測がまとめられ、今年の第6次評価報告書へと科学的知見が積み重ねられてきた。その科学の進展は、気候変動枠組条約、京都議定書、パリ協定の採択へと、今日までの一連の気候変動対策へと繋がっていることに「真鍋氏の研究に敬意を表するともに、その功績が讃えられたことをともに喜びたい」と述べた。

そして「これらは政策決定者と地球市民に向けられたもので、科学に基づく気候変動対策の重要性を再認識すべき機会としなければならない。気候変動の予測や因果関係の研究による警告は、これまで一貫して変わりない」と言及。

人間の活動と地球の気温上昇の関係性が明らかになり、国際社会は気温上昇を1.5℃に抑えるという目標を定めたにもかかわらず、そこに向けた排出削減の道筋には至っていない現状にも触れ、「人類が直面する気候危機を乗り越えるだけの温室効果ガスの急速かつ大幅な排出削減は、急務である。温暖化に対処できる最後のチャンスを逃さないために、気候科学が示す警告に今一度目を向け、その緊急性に向き合い、今行動しなければならない」と強く訴えた。

今後も日本を含む世界各国にパリ協定1.5℃未満を目指し、COP26に向けて、気候変動対策の目標・行動を大幅に強化していくことを求めていく。

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