公立校37年ぶり複数1位輩出の快挙! 市和歌山・小園&松川バッテリーに監督が送った〝戦力外リスト〟

ともに1位指名を受け笑顔の小園(左)、松川

2021年のドラフト会議が11日、都内で行われ、市和歌山から小園健太投手(18)がDeNAと阪神から、松川虎生捕手(17)がロッテから、それぞれ1位指名を受けた。競合した小園の交渉権はDeNAが獲得。公立校からドラ1選手を同年に複数輩出するのは1984年の箕島(和歌山)以来、37年ぶりの快挙だ。

高校ビッグ3の一角・小園は最速153キロの直球に加え、精度の高い変化球を持ち合わせた完成度が高い。「ホッとしました。本当にうれしいです。DeNAは投打ともにレベルが高くバランスがいい印象。三浦監督は長年球界を代表する投手として活躍されてきた方。直球だけでなくカーブが印象に残っている。緩急やピッチングの部分を教えてもらえれば」と表情を引き締めた。

高校ナンバーワン捕手との呼び声も高く、高校通算43発と長打が売りの松川も「ホッとしています。1巡目で名前が呼ばれるとは思わなかったのでビックリした気持ちが大きいです。ロッテは安田選手や藤原選手など、若い選手が一軍で活躍しているイメージです」。ロッテファンを公言していただけに意中の球団からの指名に笑顔だ。

小園とは中学時代から「貝塚ヤング」でバッテリーを組んできた大親友にして大盟友。プロの舞台での対決だけではなく「五輪での日本代表の戦いは見てきました。世界の舞台で小園とバッテリーを? すごく強く思っています」と〝世代最強バッテリー〟らしく将来的な侍ジャパンでのバッテリー再結成にも意欲を見せた。

希望に胸を膨らませ、プロ野球選手としての第一歩を刻んだ両選手。だが、2人の恩師・半田真一監督(41)はドラフト会議の数日前に厳しくも愛のこもったメッセージを小園と松川に送っていた。

「今は、こうやって周囲から注目されていますが、これはあくまでも一過性のもの。数日前にあの2人にはLINEで今年NPBの各球団から戦力外通告を受けた選手の一覧を見せたんです。これから行く世界はとても厳しい世界だぞ、とね」(半田監督)。

「答え合わせは5年後に」が合言葉のドラフトの世界。小園と松川が数年後、どのような成長を遂げてくれてくれているのか、今から楽しみだ。

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