2021年のドラフト会議が11日、都内で行われ、阪神は1位で森木大智投手(18=高知)を指名した。
森木は中学時代に軟式で150キロをマークして「スーパー中学生」として名をはせた。ただ、期待が大きくなる中で大注目の高校3年間は悔しさも味わった。「この高校生活3年間は甲子園に一度も行けなかったですし、うまく行くことが当たり前ではないと思い知らされた。とても苦しい3年間だった」とも振り返る。
プロではその経験を糧にして飛躍する。そんな森木の原動力となるのが〝下克上パワー〟だ。中学2年時に全国大会の初戦で敗れた際に、中学高校6年間で指導を受けた濵口佳久監督から贈られた言葉が「下克上」。今では自らの座右の銘にしている。「下からはい上がっていき、一番上にのぼり詰めるというのが(自分にとって)響きますし、そういう姿勢でこれからもプロ野球の世界で戦っていきたいと思ってます」と力を込めた。
今回のドラフトでは高校ビッグ3に並べられた小園、風間が早々に1巡目で指名を受けた中でハズレ1位だった。それでも森木の表情は何一つ変わることはなかった。「それ(3人の中で最後だったこと)より選んでいただいた阪神さんに感謝しています。勝ちにつながる投球をしたい。自分のやるべきことをしっかりやりたい」
舞台は夢に見た甲子園。成り上がってみせる。