マリナーズ・菊池雄星 選手オプションの行使で残留が濃厚に

マリナーズでの3年目のシーズンを終えた菊池雄星は、来季以降の契約が球団と選手の双方に選択権のあるオプションとなっている。まず球団側に4年契約の選択権があり、それが拒否された場合、菊池には1年契約の選択権が与えられるが、地元紙「シアトル・タイムズ」のライアン・ディビッシュ記者によると、マリナーズは菊池の4年6600万ドルの契約オプションを行使しない方針。しかし、菊池は選手側に選択権のある1年1300万ドルの契約オプションを行使してマリナーズに残留する可能性が高いという。

今季の菊池はオールスター・ゲーム初選出が決まるまでの15先発で6勝3敗、防御率3.18をマーク。ところが、それ以降の14先発では1勝6敗、防御率6.22と大きく成績を落とし、ワイルドカードを争っていたシーズン終盤には首脳陣からの信頼を失って先発ローテーションから外された。シーズン通算の成績は29先発で7勝9敗、防御率4.41となり、自身初の規定投球回には届かず(157イニング)。防御率や奪三振(163)は自己ベストの数字だったが、4年6600万ドルの契約に見合う成績ではなく、マリナーズがオプション行使を見送るのは当然の判断と言えるだろう。

菊池の成績や近年のFA市場の動きを見ると、菊池が1年1300万ドルの選手オプションを破棄してFAになったとしても、この条件を上回る契約を得るのは難しく、1年1300万ドルでマリナーズに残留するという選択は理にかなっていると言える。来季はシーズンを通して今季前半戦のようなパフォーマンスを継続し、自身の価値を高めたうえで2022年シーズンオフのFA市場に出ていくことが目標となりそうだ。

なお、マリナーズはオーナーがペイロール増額にゴーサインを出していることが報じられており、シーズン終盤までワイルドカードを争った今季を経て、いよいよ本格的に勝負に出るシーズンを迎えることになる。有力FA選手を複数獲得するような大型補強が予想されるが、ジェリー・ディポートGMがどんな動きを見せるか注目したい。

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