長濱ねるさん広報大使に 新幹線長崎ルート 暫定開業へ県がシンポジウム

中村知事から広報大使に任命された長濱さん(右)=諫早市、諫早文化会館

 来年秋の九州新幹線長崎ルート暫定開業に向け、長崎県などは9日、沿線自治体の諫早市で県民対象のシンポジウムを開き、講演やパネルディスカッションを通して開業を見据えたまちづくりや求められる取り組みなどを考えた。暫定開業と本県の魅力をPRしていくため、パネリストとして登壇した本県出身のタレント、長濱ねるさんを同ルートの県広報大使に任命した。
 パネルディスカッションには、北陸新幹線による金沢誘客に向け金沢市内のホテル関係者らでプロジェクトチームを立ち上げた庄田正一氏(金沢ニューグランドホテル社長)ら5人が登壇。諫早商工会議所青年部の吉田俊太専務理事らが暫定開業に向けた諫早での取り組みなどを紹介した。
 長崎市と東彼波佐見町でホテル業を展開する九州教具の船橋佐知子副社長は、観光業者の立場から「旅行者のニーズは土地に暮らす人々の日常に触れたいというものに変わってきている」と指摘。「地域の一人一人が日常生活を愛し、仕事に誇りを持って日々の楽しみを共有することが魅力的な地域をつくっていく。楽しい所には必ず人が来る」と述べ、誘客にはそこに暮らす人々の意識が大切でまちづくりのキーワードは「人」だと強調した。
 九州新幹線鹿児島ルートの開業効果調査にも携わった元九州経済調査協会次長で富山国際大准教授の大谷友男氏は「(開業を踏まえた)地域づくりを一過性で終わらせるのではなく形にしていくこと、そして若い人たちの力が大事。長いスパンで考え、思い切って若者に任せることが必要」と語り若者の役割に期待を寄せた。
 中村法道知事から広報大使の任命を受けた長濱さんは「若者として長崎をどんどんつないで、外に外に広げていく。皆さん一緒に、一体となって、巻き込んで、(本県が)発展していけるよう努めさせていただきます」と抱負を語った。
 シンポジウムは県民の機運を高めようと開き、約500人が参加した。


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