魅力度と幸福度

 3年前、観光や農産物の魅力を発信するため、県庁に新たな部署まで設けたという。成果が出たのか、都道府県の「魅力度ランキング」でほぼ毎年、最下位だった茨城県が、昨年は“指定席”を脱し、42位になった▲それもつかの間、先ごろ発表された今年のランキングで、茨城県は再び最下位になった。民間の調査会社「ブランド総合研究所」がこの夏、全国3万5千人から回答を集めた結果だが、指定席へ戻ってしまった確かな理由は分からない▲1位は不動の北海道、2位は京都府、3位は沖縄県で、もう少し下を見ると本県は8位に食い込んでいる。昨年の11位から順位を上げた▲上位には名だたる観光地が並んでいる。とすれば、本県のランクアップは「コロナ後に訪れたい場所」としての注目度アップ-と言えるのだろうか▲もう一つ、同じ調査会社が5月に調べた「幸福度ランキング」というのがある。こちらは各都道府県に住む人に「とても幸せ」「少し幸せ」…と幸福の度合いを聞いた結果で、本県は昨年の28位から、実に6位へと“躍進”している▲ジャンプアップの訳は定かではないが、幸福度は気持ちに余裕があるほど上がるものらしい。コロナ禍でも鬱屈(うっくつ)とせず、気持ちに少しのゆとりを持つ…。県民の皆さんの、そんな心ばえの表れだといい。(徹)

© 株式会社長崎新聞社