仮山伏の棒使い 開園記念で武術披露 旧関山宝蔵院庭園 地元小学生も参加 

 「仮山伏の棒使い」が10日、妙高市関山の旧関山宝蔵院庭園で披露された。開園記念として関山自治会が主催した。観客を地元住民に限定して行われ、伝承されている演武に拍手が送られた。

なぎなたを使った演武。写真右奥は妙高山

 仮山伏の棒使いは県無形民俗文化財。戦国時代、戦乱に見舞われた関山神社(同市関山)を守ろうと修行僧が武術を身に付けたことが由来とされ、武術の形は22種類ある。

 7月の関山神社火祭りで披露されてきたが、ここ2年は新型コロナウイルスの感染状況で行われなかった。

 妙高山を借景とする旧関山宝蔵院庭園は国指定名勝(指定地約4000平方メートル)。妙高市教育委員会による修復事業を終え、今年5月1日にオープンした。修復事業は江戸時代に書き継がれた『宝蔵院日記』に基づき、高さ5メートルの滝石組を復元した他、園路整備や庭木の植栽などに取り組んだ。

 開園記念イベントはコロナの感染状況から見送られていたが、状況が落ち着いていることを踏まえ、実施されることになった。

 この日は快晴となり、衣装に身を包んだ男性6人が仮山伏として武術を披露した。2人一組でなぎなた、太刀、六尺棒を使って行い、「ヤッ」「トッ」といった掛け声を響かせた。古川拓未さん(30)は「きれいなところで、いい演武ができた。感無量」と語った。

 自分たちの手でイベントを盛り上げたいと、地元の妙高小児童も参加した。太鼓演奏と棒使いを堂々と披露していた。

妙高小6年生による太鼓演奏

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