鷹リチャードが「沖縄尚学の先輩・巨さんを援護」のミッションをクリア

ソフトバンクのリチャード

4年目のミッションをクリアした。ソフトバンクのリチャード内野手(22)が12日の日本ハム戦(札幌)で価値ある先制打を放ち、5―0の勝利に貢献。沖縄尚学の先輩である東浜巨投手(31)に5試合ぶりの勝利をもたらした。

スタメン最年少のロマン砲が大仕事をした。2回だ。デスパイネの左前打、栗原の四球で無死一、二塁とし、続く中村晃がきっちり犠打を決めてリチャードにお膳立て。「(中村)晃さんがバントの構えをした時から集中力を高めていた」。一死二、三塁から三塁線を破る適時二塁打。「いい集中力でカーブにうまく反応して捉えることができた。先輩方がつくったチャンスを生かすことができてよかった」と、試合の主導権を握る先制打に興奮気味だった。

燃えるものがあった。今季前半戦、まだファーム暮らしだった22歳はこんな青写真を描いていた。「(東浜)巨さんの後ろを守って、僕が打って援護する。早く一軍に上がって、今年はそれを実現したい」。最初の打席で放った援護射撃は先輩の背中を押した。

東浜は7回5安打無失点の好投。最速153キロの真っすぐはキレがあり、勝負球のシンカーも冴えた。2回に二死満塁のピンチを招いた以外は危なげない投球だった。「僕が投げた試合で結構打点を取っている。それがあるだけにより一層悔しかった」。リチャードは東浜の登板試合、3戦連続の打点をマーク。「後輩の活躍にうまく乗せてもらった」と、リチャードのバットが生み出したリードを守り抜いて1か月ぶりの4勝目を手にした。

この日、首位オリックスがロッテと引き分けたため、チームは9試合を残してのV逸が決まった。悲しい区切りを迎えたが、鷹の希望であるリチャードにとっては〝4年目の目標〟を1つクリアした日となった。

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